1981年にデビューしたホンダのコンパクトカー「シティ」は、1986年10月に5年ぶりのフルモデルチェンジを実施し2代目モデルとなりました。初代が背の高い「トールボーイデザイン」を採用したのに対し、2代目ではワイド&ローな「クラウチングフォルム」を採用した事によりスタイリングが大きく変化しました。又、初代に設定されていたターボ車やカブリオレは廃止され、ラインナップがシンプル化されました。
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先代より全高を大幅にダウン
ボディタイプは先代同様の3ドアハッチバックながら、前述のようなディメンション変更や曲線を取り入れたボディラインの採用などにより、大幅にイメージを変えました。一方、フラッシュサーフェイスボディは踏襲され、良好な空力特性は受け継がれました。初期型のボディサイズは全長3,560mm×全幅1,620mm×全高1,335mmで、先代標準モデルよりも180mm長く50mm広く、そして135mm低くなりました。
プラットフォームの刷新に伴いホイールベースも180mm延長され2,400mmとなり、車両重量は若干増加し680~710kgとなりました。サスペンション形式はフロントはストラット式を踏襲し、リアはストラット式からトーションビーム式に変更されました。ブレーキはフロント:ディスク式/リア:ドラム式で、先代のようなフロント・ベンチレーテッドディスク仕様車は設定されませんでした。
ホンダ シティのCM 1986年
エンジンを一新
駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは新開発された1.2L直4SOHC NA電子制御シングルキャブレター仕様のD12A型(最高出力76ps/最大トルク10kgm)に置換されました。トランスミッションは、5速MTと電子制御ロックアップ機構付トルコン式AT「ホンダマチック」が設定されました。10モード燃費はMT車が20km/L、ホンダマチック車が18km/Lでした。
室内はフルトリム化による快適な室内空間や、高剛性かつ空力特性に優れたボディによる静粛性の高さがセリングポイントとされました。発売当初のグレード体系は下から「BB」「EE」「GG」の3種類で、GGにはパワーステアリングや固定式スライディングサンルーフが標準装備されました(チルトアップ機構付きスライディングサンルーフはオプション)。
そして1988年10月にマイナーチェンジが実施され、エンジンが1.3L直4 SOHCのD13C型に変更されました。シングルキャブレター仕様とPGM-FI(電子燃料噴射式)仕様が用意され、スペックは前者が最高出力82ps/最大トルク10.5kgm、後者が最高出力100ps/最大トルク11.6kgmでした。同時に、グレード体系がキャブレター仕様の「CE」、PGM-FI仕様の「CR-i」「CZ-i」の3グレードに変更されました。
次いで1992年3月にCEをベースに装備を充実させた新グレード「CEフィット」が追加されました。そして1993年末に生産終了となり、シティの車名は国内向けとしては絶版となりました。
先代モデル:初代シティ