マセラティ 3500GT (TIPO101 1957-1964):マセラティの量産モデル第一弾として登場

マセラティ 3500GT 1958-'64

マセラティ 3500GT 1958-’64

マセラティは、創業から戦後暫くの間までレース活動とロードカーの少量生産を並行して行っていたものの、経営状況の悪化を受け1957年にレース活動を停止すると共に、量販ロードカーの開発に注力する方針に転換しました。その第一弾として登場したのが2+2シーター仕様グランツーリスモ「3500GT」で、後の同社の方向性を決定づけるモデルとなりました。

デザインは複数のデザインオフィスが担当

シャシーは鋼管マルチチューブラフレーム構造で、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン/トーションバー式、リアがリジッドアクスル/リーフ式でした。まず最初に発売されたのはフィクスドヘッドのクーペで、ボディのデザインはカロッツェリアのツーリング、ギア、ベルトーネ、アレマーノ、フルアの5社に委託され、それぞれでスタイリングが若干異なる5つのバージョンが販売されました。

マセラティ 3500GT 1958-'64

マセラティ 3500GT 1958-’64

これらのうち最も多くの台数が生産されたのはツーリング製で、そのボディサイズは全長4,780mm×全幅1,760mm×全高1,300mm、ホイールベースが2,600mmという比較的大柄なもので、車両重量は1,300kgでした。駆動方式はFRで、エンジンはレーシングモデル「350S」用に開発された3.5L直6DOHCユニットをベースに、公道走行に適するようデチューンしたものでした。

カブリオレを追加

マセラティ 3500スパイダー 1959-'64

マセラティ 3500スパイダー 1959-’64

ウェーバー3連キャブレターを装備し、8.5:1の圧縮比から最高出力220ps/5,500rpm・最大トルク35kgm/3,500rpmのアウトプットを発生、トランスミッションは発売当初4速MTが組み合わせられ、最高速度230km/hの性能を発揮しました。ブレーキは、発売当初は4輪ドラム式でした。そして1959年、オープンボディの「3500GTカブリオレ」が追加されました。

マセラティ 3500GT 1958-'64

マセラティ 3500GT 1958-’64

デザインを手掛けたのはツーリング、フルア、ヴィニャーレの3社で、ヴィニャーレ製を例に取るとボディサイズは全長4,450mm×全幅1,635mm×全高1,300mmと一回り小ぶりで、ホイールベースは100mm短い2,500mmとなる他、車両重量も1,200kgと軽量に抑えられていました。足回りやパワートレインはクーペと共通で、ブレーキはフロントにディスクブレーキが与えらました。

マセラティ 3500GT 1958-'64

マセラティ 3500GT 1958-’64

それと同時に、クーペのフロントブレーキもディスク化されました。次いで1960年に、キャブレターをルーカス製燃料噴射装置に換装し最高出力を235ps/5,800rpmまで高めると共に、ZF製5速MTを搭載した「3500GTI」がクーペ/カブリオレ双方に追加されました。更に翌1961年には、カブリオレのリアブレーキがディスク化され4輪ディスクブレーキとなりました。

マセラティ 3500GT 1958-'64

マセラティ 3500GT 1958-’64

3500GTシリーズの生産は1964年まで続けられ、総生産台数はおよそ2千台でした。前作の「A6」シリーズが、1947年~57年までの10年間で約200台の生産台数に過ぎなかった事と比較すると、商業的に遥かに成功したモデルとなりました。