トヨタの小型ミニバン「カローラスパシオ」の初代モデルは、カローラファミリー随一のユーティリティー系モデルとして1997年1月に発売されました。他のカローラシリーズとは全く異なる内外装デザインが採用された個性派で、2列シート4/5人乗り仕様と3列シート6人乗り仕様がラインナップされました。初代モデルの好評を受け、2代目モデルも生産されました。
曲線的なスタイリングを採用
ボディはオールヒンジドアの5ドアワゴン型で、スタイリングは他のカローラシリーズとはかなり趣が異なり、曲線を基調としたボリューム感のあるものでした。又、上級グレードにはルーフレールが装備されました。ボディサイズは全長4,135~4,210mm×全幅1,690mm×全高1,620~1,630mmで、カローラセダンと比較すると全高が200mm以上高いミニバンらしいディメンションでした。
ホイールベースは他のカローラファミリーと共通の2,465mmで、車両重量は1,180~1,340kgでした。サスペンション形式は4輪ストラット式を踏襲し、駆動方式は発売当初はFFのみの設定だったものの、追ってフルタイム4WDが設定されました。エンジンは直4ハイメカツインカム仕様で、まず1.6Lの4A-FE型が用意され、追って1.8Lの7A-FE型が追加されました。
スペックは、前者が最高出力110ps/最大トルク15.2kgm、後者が最高出力120ps/最大トルク16kgmで、トランスミッションは共に4速トルコン式ATが組み合わせられました。又、4WDは1.8L車のみに設定されました。インテリア面では、カローラファミリーで唯一となるデジタル式スピードメーターが採用され、安全装備としてABSやSRSデュアルエアバッグシステムなどが備わりました。
トヨタ カローラスパシオのCM
多彩なシートアレンジが可能だったカローラスパシオのマジカルシート
エアロパーツ装備グレードも設定
グレード体系は、グレード名なしの標準車、ルーフレールやオートエアコンが備わる「Gパッケージ」、リアスポイラーや14インチアルミホイールが備わる「Sパッケージ」、豪華装備の「Lパッケージ」がラインナップされ、それぞれに2列シート4人乗り仕様の「2-0-2」、同5人乗り仕様の「2-3」、3列シート6人乗り仕様の「2-2-2」が設定されました。
そして1998年4月に一部改良が行われ、フロントスポイラーや専用メーターパネルが備わる新グレード「ブラックスポーツパッケージ」及び「ブラックスポーツGパッケージ」が追加され、「Sパッケージ」は廃止されました。次いで1999年4月にマイナーチェンジを実施し、外装の一部が変更されると共にグレード体系が見直され、エアロパーツが備わる新グレード「エアロツアラー」が設定されました。
同時に、「ブラックスポーツパッケージ」「ブラックスポーツGパッケージ」「Lパッケージ」は廃止されました。そして2001年5月にフルモデルチェンジが行われ、2代目モデルにバトンタッチされました。