初代モデルが2001年に発売されたパイクカー「BMW・ミニ」は、2006年に5年ぶりのフルモデルチェンジを受け2代目モデルに移行しました。内外装デザインは先代のイメージが踏襲されたものの、パワートレインの刷新など基本設計は一新されました。また、さまざまなボディ・バリエーションが追加されたのも2代目モデルの特徴でした。
ハッチバックのみでスタート
ボディタイプは、オープンタイプのコンバーチブルが初代モデルのまま継続販売されたため、当初は3ドアハッチバックのみでのスタートとなりました。ボディ・ディメンションは全長3,699mm×全幅1,683mm×全高1,407mm、ホイールベース2,467mmで、全長がわずかに延長されたことをのぞき先代と同等でした。
サスペンション形式はフロント:ストラット式/リア:マルチリンク式が踏襲され、駆動方式も先代同様FFのみが設定されました。エンジンは、フランスのPSAグループと共同開発した1.6L直4DOHCが採用されました。ラインナップは最高出力120ps/最大トルク16.3kgmのNA仕様と最高出力175ps/最大トルク24.5kgmのターボ仕様の2種類で、「クーパー」に前者が、「クーパーS」には後者が搭載されました。
CVTに代わり6速ATを設定
組み合わせられるトランスミッションは、いずれも6速MTまたは6速トルコン式ATで、先代のNA車に設定のあったCVTは廃止されました。また、ブレーキはフロントがベンチテーテッド型の4輪ディスク式が踏襲されました。走行性能に係る装備としては、オートマチックスタビリティコントロール+トラクションコントロールやコーナーリングブレーキコントロールなどが採用されました。
その後、2007年に1.4L直4DOHCエンジン(最高出力95ps/最大トルク14.3kgm)を搭載するベーシックグレード「ワン」と、1.6L直4DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力110ps/最大トルク24.5kgm)を搭載する「クーパーD」が追加されました。さらに同年、4ドアステーションワゴン型の派生モデル「クラブマン」がリリースされました。
コンバーチブルを追加
次いで2008年には、1.6Lターボエンジンのアウトプットを最高出力211ps/最大トルク28.6kgmまで高めて搭載するホットバージョン「ジョンクーパーワークス」が追加されました。また、同じ年に新たなバリエーションとなる4ドアセダン版の「カントリーマン」がリリースされたほか、コンバーチブルが2代目にフルモデルチェンジされてラインナップに加わりました。
このうち、コンバーチブルには専用チューニングのサスペンションが採用されたほか、転倒時の安全対策として新開発の電子制御機械式ロールオーバーバーが装備されました。次いで2010年5月に一部改良が実施され、ワンのエンジンが1.6L直4DOHC(最高出力98ps/最大トルク15.6kgm)に置換されたほか、クーパーS用ターボエンジンに可変バルブタイミング機構が採用され最高出力が184psに向上しました。
また、燃費・環境性能対策として、ジョンクーパーワークスをのぞく全車にブレーキエネルギー回生システムが、MT車にアイドリングストップ機構が採用されました。追って同年9月に再び一部改良が実施され、エクステリアの一部変更とともに、1.6L直4DOHCディーゼルターボエンジンを搭載する「ワンD」と「クーパーD」が追加されました。
エンジンのスペックは、ワンD用が最高出力90ps/最大トルク21.9kgm、クーパーD用が最高出力112ps/最大トルク27.5kgmでした。次いで2011年、3ドアハッチバッククーペの「ペースマン」、2ドアクーペの「クーペ」、2ドアコンバーチブルの「ロードスター」が相次いで投入されました。そして2013年、ハッチバックにフルモデルチェンジが実施され現行型に移行、コンバーチブルは遅れて2016年に現行型にバトンタッチされました。