BMW傘下となっていたイギリスのローバ―社は、1997年のジュネーブ・モーターショーで新型「ミニ」のプロトタイプを出展しました。その後開発の拠点はローバーを切り離したBMWに移され、2001年に市販バージョンが発売されました。BMC/ローバー・ミニ(通称オールド・ミニ))が実用性重視の真面目な大衆車であったのに対し、この新型ミニはパイクカー、ファンカーとしての性格を持っていました。
ボディを大幅に拡大
ボディタイプは、独立したトランクルームを持つ2ドアセダンが基本であったオールド・ミニに対し、21世紀のコンパクトカーらしくテールゲートが備わる3ドアハッチバックとなっていました。ボディ・ディメンションは全長3,626mm×全幅1,688mm×全高1,408mm、ホイールベース2,467mmで、二回りほど拡大されていました。
その一方で、フロントまわりやリアまわりのなどに一目で後継モデルと分かる意匠が採用されました。サスペンション形式は一新され、フロントにストラット式、リアにマルチリンク式が採用されるとともに、独特なラバーコーンに代わり一般的なコイルスプリングが採用されました。駆動方式は、初代同様のFFが踏襲されました。
エンジンは3タイプ
エンジンは、BMWとクライスラーの合弁企業であるトライテック社製の1.6L直4DOHCが採用されました。ラインナップは、最高出力90ps/最大トルク14.3kgmおよび最高出力116ps/最大トルク15.2kgmのNA仕様と、最高出力163ps/最大トルク22.3kgmのMSC(メカニカルスーパーチャージャー)仕様が用意されました。組み合わせられるトランスミッションはNAが5速MTまたはCVT、MSCが6速MTでした。
また、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。室内は初代同様4人乗りで、インパネは中期型以前の初代モデルをモチーフとしたセンターメーター方式が採用されました。また、安全装備はSRSデュアル&サイド&ヘッドエアバッグシステムやEBD付きABS、オートマチックスタビリティコントロール+トラクションコントロールなどが標準装備されました。
コンバーチブルを追加
グレードは90psエンジン搭載の「ワン」、116psエンジン搭載の「クーパー」、MSCエンジン搭載の「クーパーS」の3タイプがラインナップされました。その後2004年にマイナーチェンジンが実施され、内外装が一部変更されるとともに、クーパーS用MSCエンジンのスペックが最高出力170ps/最大トルク22.4kgmに向上しました。
同時に、電動ソフトトップが備わる2ドア4シーター仕様の「ミニ・コンバーチブル」が追加されました。基本メカニズムはハッチバックと共通で、グレードも同様に3タイプがラインナップされました。そして2006年にハッチバックにフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。一方、コンバーチブルは初代モデルのまま2008年まで生産が続けられました。