基幹モデルが3代目となる現行型MINIは、2013年11月にまず3ドアがデビューし、翌2014年6月に初の派生モデルとして5ドアが発表されました。日本市場では、同年10月より発売が開始されました。単にドアの枚数を増やしただけではなく、ボディのストレッチによりスペースユーティリティーを改善し、MINIのテイストはそのままに実用性を高めた点が特徴となっています。
ボディを拡大しながらバランスの良いスタイリングを実現
ボディサイズは全長4,000mm~4,015mm×全幅1,725mm×全高1,445mmで、全長が155mm~165mm、全高が15mm拡大された他、ホイールベースも70mm長い2,565mmとなっています。スタイリングは、一目でMINIファミリーの一員である事が分かる記号性を持つ他、リアオーバーハングの延長や傾斜したテールゲートにより、3ドアと比較しても不自然さのないバランスの良いプロポーションにまとめられています。
又、同じく5ドアボディを持つ「MINIクロスオーバー」よりもボディが一回り小さい為、遥かに引き締まった雰囲気が備わります。室内は、後席の乗車定員が3ドアの2人に対し3人に増やされた他、後席のレッグスペースやラゲッジスペースが拡大され、実用性が向上しています。サスペンション形式は、3ドアと同様前:ストラット式/後:マルチリンク式を踏襲し、車両重量は50~60kg重い1,260kg~1,320kgとなっています。
日本仕様のパワートレインは2種類
駆動方式は3ドア同様FFのみの設定で、パワートレインは欧州仕様に用意される2種類のディーゼルエンジンやMT仕様は日本に導入されず、2種類のガソリンエンジンと6速トルコン式ATのみの設定となっています。グレード及び搭載エンジンは、「クーパー」が1.5L直3ターボ、「クーパーS」が2L直4ターボで、3ドアに設定される1.2L直3ターボエンジンを搭載するエントリーグレード「ONE」の設定はありません。
スペックは、前者が最高出力136ps/4,400rpm、最大トルク22.4kgm/1,250~4,300rpm、後者が最高出力192ps/5,000rpm、最大トルク28.6kgm/1,250~4,600rpmで、共に3ドアの同一グレードと差はなく、燃費はそれぞれ17.9km/L、16.4km/Lとなっています。インテリア面では、円形デザインエレメントを採用したインパネを3ドアから踏襲するなど、全席より前の部分のデザインは共通となっています。
装備面では、これも3ドア同様に8.8インチワイド画面カーナビゲーションシステムやヘッドアップディスプレイが備わる他、前車接近警告機能や衝突被害軽減ブレーキ、アクティブクルーズコントロールなどの充実した安全装備が備わります。走行フィーリングは、ボディ拡大にも関わらず如何にもMINIらしいゴーカートフィーリングを継承しており、ファンの期待を裏切らない仕上がりになっています。