1964年に三菱初の高級4ドアセダンとしてデビューした「デボネア」は、1992年10月に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け3代目モデルに移行しました。先代の「デボネアV」と同様、韓国ヒュンダイ社の「グレンジャー」とプラットフォームやボディを共有する姉妹車種の関係にありました。
先代よりワイド&ローなプロポーションに
エクステリアデザインは直線基調の先代に対し、曲線・曲面が取り入れられるなどイメージを大きく変えました。初期型のボディサイズは全長4,975~5,125mm×全幅1,815mm×全高1,440mmで、全長・全幅が先代から大幅に拡大された一方全高は若干低くなり、ワイド&ローなプロポーションに変貌しました。又、ホイールベースは先代から10mm延長され2,745mmとなりました。
車両重量もボディサイズ拡大に伴い増加し、初期型で1,590~1,780kgとなりました。サスペンション形式はフロントは先代同様のストラット式で、リアは3リンク式からマルチリンク式に変更されました。駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは先代からキャリオーバーされた3L V6SOHCの6G72型(最高出力170ps/最大トルク25.3kgm)の他、3.5L V6DOHCの6G74型(最高出力260ps/最大トルク33kgm)が用意されました。
その他、タクシー用途向けに3L V6のLPGガスエンジン車も設定されました。トランスミッションは、全車4速トルコン式ATが採用されました。装備面では、車間距離自動制御システムやジャイロセンサー内蔵カーナビゲーションシステム、バックカメラなど、当時として最先端の装備が採用されました。
エクシード系とエグゼクティブ系を用意
グレード体系は、一般ユーザー向けのエクシード系とショーファードリブン用途を前提としたエグゼクティブ系に大別されました。当初のラインナップは、下から3Lエンジン搭載の「エグゼクティブⅠ」「エグゼクティブⅡ」、3.5Lエンジン搭載の「エクシードⅠ」「エクシードⅡ」「エグゼクティブⅢ」「エクシードⅢ」「エクシードⅢCp」「エクシードⅢSp」となっていました。
その他、エグゼクティブⅢをベースにボディをストレッチしてリムジン仕様とした特装車「デボネア150」も用意されました。そして1993年10月に新グレードとして3Lエンジン搭載の「エクシードエクストラ」が、更に翌1994年10月に3L/3.5Lエンジン搭載の「エクシードコンテーガ」が追加されました。
次いで1995年10月のマイナーチェンジで、フロントグリルとリアコンビネーションランプの意匠が変更されました。同時にエクシード系のグレード体系が見直され、3L車は「エクシードコンテーガ」のみとなり、3.5L車は「エクシードコンテーガ」「エクシードタイプA」「エクシードタイプB」「エクシードタイプC」のラインナップとなりました。
そして1999年12月に販売終了となり、初代モデルの発売以来35年に渡る歴史に終止符が打たれました。尚、後継モデルとして翌2000年2月に「プラウディア」及び「ディグニティ」が発売されました。