日産自動車は1993年の北米国際オートショーで、北米市場向けミニバン「アクセス」の後継車種となる初代「クエスト」を発表しました。米国フォード社と共に合弁会社「日産CR」を立ち上げ共同開発されたモデルで、生産は米国内にある日産の工場で、最終組み立てはフォードの工場で行われました。日本国内では、1995年4月から左ハンドル仕様のまま逆輸入販売が開始されました。
ボディは4ドア7人乗り仕様
ボディタイプはボディ右側のみに後席用スライドドアが備わる4ドアで、スタイリングは短くスラントしたノーズと大きなグリーンハウスを持つ1.5BOXフォルムでした。日本仕様のボディサイズは全長4,835mm×全幅1,870mm×全高1,770mmで、ホイールベースは2,850mm、車両重量は1,790kgでした。最小回転半径は6.1mと車格相応の数値でした。
サスペンション形式はフロントにストラット式が、リアにビームアクスル/リーフ式が採用され、ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク式、リアがドラム式でした。駆動方式はFFで、パワートレインは3L V6SOHCのVG30E型エンジン(最高出力150ps/4,800rpm・最大トルク24.1kgm/4,400rpm)とコラムシフト式4速トルコンATの組み合わせが採用されました。
室内は2-2-3シート配列の7人乗り仕様で、3眼式メーターが備わるインパネはブラックを基調に纏められ、ステアリングホイールは本革巻きの4本スポーク式が採用されました。ボディカラーはデザートシルバーが標準で、その他にオプションでスペリアブルーミスト/デザートシルバー及びサンセットレッド/グラファイトのツートーンカラー2種類が用意されました。
快適装備が充実
グレード体系は当初「GXE」のみのモノグレード設定で、安全装備としてSRSデュアルエアバッグシステムやABS、サイドインパクトバーなどが採用された他、デュアルエアコン、CDプレーヤー/カセットプレーヤー付カーオーディオ、運転席パワーシート、クルーズコントロール、オートライトシステムなどの快適装備が備わっていました。
又、エクステリア面では15インチアルミホイールが装着される他、オプションでルーフスポイラーが用意されました。そして1996年2月のマイナーチェンジでフロント廻りやリア廻り、アルミホイールなどエクステリアの意匠変更が行われました。同時に、本革シートやサンルーフが装備される上級グレード「GXE-1」が追加されました。
ボディサイズはGXEと同一である一方、車両重量は20kg重い1,810kgとなっていました。そして1998年12月をもって国内販売を終了、一代限りでラインナップから消滅する結果となったものの、北米向けモデルは翌1999年に2代目モデルV41型に切り替えられた上で販売が継続されました。