ゼネラルモーターズ(GM)のポンティアック・ブランドから1972年に発売された小型車「グランダム」は、1991年に7年ぶり3度目のフルモデルチェンジを受け、通算4代目モデルに移行しました。プラットフォームはFF方式の「Nプラットフォーム」がキャリオーバーされた一方で、スタイリングは一新されました。
曲線基調のエクステリアに
ボディタイプは先代同様、2ドアクーペと4ドアセダンがラインナップされました。エクステリア・デザインは、直線基調で直立した角度のCピラーを備えていた先代に対し、曲線基調に変貌するとともにCピラーの角度が寝かされました。その一方で2分割タイプのフロントグリルが踏襲され、グランダムとしてのアイコン性は保たれました。
ボディサイズは全長4,750mm×全幅1,710mm×全高1,350mmで、先代から全長が大幅に延長されました。一方で、ホイールベースは先代と共通の2,630mmでした。エンジンは当初、2.3L直4SOHC仕様(最高出力122ps/最大トルク19.4kgm)、同DOHC仕様(最高出力162ps/最大トルク21.4kgm)、同DOHC HO仕様(最高出力183ps/最大トルク22.4kgm)と、3.3L V6OHV(最高出力152ps/最大トルク25.6kgm)の4種類が用意されました。
組み合わせられるトランスミッションは、先代同様5速MTまたは3速トルコン式ATでした。サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式が踏襲され、ステアリング形式も引き続きラック&ピニオン式が採用されました。ブレーキは、フロントはソリッド・ディスク式からベンチレーテッド・ディスク式にアップグレードされました。
エアバッグを標準化
一方で、リアは先代がソリッド・ディスク式を採用していたのに対し、ドラム式にダウングレードされました。その後、1994年モデルで運転席SRSエアバッグシステムが標準化されました。同時に、3.3L V6OHVに代わり3.1L V6SOHCエンジン(最高出力157ps/最大トルク25.5kgm)が設定されるとともに、組み合わせられるATが4速化されました。
続く1995年モデルでは、2.3L直4エンジンがバランサー付のDOHC仕様(最高出力152ps/最大トルク21.4kgm)に一本化されました。次いで1996年モデルでフェイスリフトが実施され、内外装デザインが一新されるとともに、助手席にもSRSエアバッグシステムが装備されました。同時に、直4エンジンが2.4L DOHC(最高出力152ps/最大トルク21.4kgm)に変更されました。
そして1998年にフルモデルチェンジが実施され、5代目モデルに移行しました。日本市場においては、1991年10月に2.3Lエンジン+AT仕様の「SEクーペ」および「SEセダン」が上陸を果たしました。その後、1995年10月にフェイスリフト版に切り替えられるとともに、グレードが2.4Lエンジン+AT仕様の「SEセダン」と3.1Lエンジン+AT仕様の「SEセダンV6」に変更されました。