
ポンティアック LeMans Sport GTO Colonnade Hardtop Coupe (3代目 1973)
ゼネラルモーターズ(GM)がポンティアック・ブランドより1964年にリリースしたスポーティカー「GTO」は、2代目モデル末期の1972年に「ポンティアック・ル・マン」のオプション扱いとなりました。そして翌1973年にル・マンにフルモデルチェンジが実施されたことにともない、GTOオプションも次世代に移行しました。
2種類のボディ・バリエーションを用意

ポンティアック GTO (3代目 1973 wikipediaより)
プラットフォームは先代譲りの「Aボディ」で、ボディタイプはコロネード・ハードトップと呼ばれるセンターピラー付き2ドアクーペとなりました。また、バリエーションとしてリアクォーター部にウィンドウが備わる「クーペ」と、その部分がルーバーで覆われた「スポーツクーペ」の2タイプがラインナップされました。
スタイリングは、コークボトルラインを取り入れたうねるようなベルトラインが特徴でした。また、ヘッドランプが先代の4灯式から2灯式に変更されるとともに5マイルバンパーと呼ばれる衝撃吸収バンパーが採用され、フロントマスクのイメージが一新されました。ボディサイズは全長5,268mm×全幅1,974mm×全高1,344mmで、先代から一回り拡大されました。
エンジンは2種類
一方、ホイールベースは先代と共通の2,845mmでした。駆動方式はコンベンショナルなFRが踏襲され、エンジンも6.6L V8OHVシングルキャブレター仕様と7.5L V8OHVシングルキャブレター仕様がキャリオーバーされました。ただし、圧縮比は先代の8.2:1または8.4:1から8:1に下げられていました。スペック(ネット値)は、前者が最高出力233ps/最大トルク44.9kgm、後者が最高出力253ps/最大トルク51.1kgmでした。
トランスミッションは、「GTO400」と呼ばれる6.6Lエンジン搭載車は3速MTが標準で、オプションで4速MTと3速トルコン式「ターボハイドラマチック」が用意されました。一方、「GTO455」と呼ばれる7.5Lエンジン搭載車は、3速トルコン式ATのみの設定でした。また、ブレーキはフロントにディスクブレーキが標準化され(リアはドラム式を踏襲)、タイヤはG60×15が装着されました。
一方室内は、クーペは前席ベンチシート仕様のみの設定で、スポーツクーペはバケットシートと折り畳み式アームレストが備わるベンチシートの選択が可能でした。また、両者ではシート表皮の素材も異なっていました。そして翌1974年、GTOはル・マンのオプション設定から外され、代わって一クラス下の「ポンティアック・ヴェンチュラ」のオプション扱いとなりました。
第3世代のGTOは、ポンティアック・ブランドの他のモデルとの競合やオイルショックの発生によるスポーティカー市場の縮小などが影響し、販売は振るいませんでした。