ゼネラルモーターズ(GM)のポンティアック・ブランドから1972年に発売された小型車「グランダム」は、1998年に7年ぶり4度目のフルモデルチェンジを受け、通算5代目モデルに移行しました。FF方式の「Nプラットフォーム」をキャリオーバーしながらも、ホイールベースが延長されるとともにリアサスペンション形式が一新されました。
エンジンは2種類
ボディタイプは先代同様、2ドアクーペと4ドアセダンがラインナップされました。エクステリア・デザインは先代のイメージを踏襲しながらも、セミファストバックのフォルムが採用されるなど、より流麗なものとなりました。ボディサイズは全長4,732mm×全幅1,788mm×全高1,380mmで、先代から全長がわずかに短縮された一方、全幅と全高は拡大されました。
また、ホイールベースは88mm長い2,718mmとなり、前後のオーバーハングが短縮されました。エンジンは当初、先代からキャリオーバーされた2.4L直4DOHCのLD9型(最高出力152ps/最大トルク21.4kgm)が標準で、オプションで3.4L V6OHVのLA1型(標準仕様:最高出力172ps/最大トルク26.9kgm・ラムエアー仕様:最高出力177ps/最大トルク28.3kgm)が用意されました。
トランスミッションは、当初は全車4速トルコン式ATとの組み合わせでした。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラットを踏襲し、リアはトーションビーム式から3リンク式に変更されました。当初のグレード体系は、下から「SE」「SE1」「SE2」「GT」「GT1」の5タイプのラインナップでした。
ブレーキは、フロントは全車にベンチレーテッド・ディスク式が、リアはSE系にドラム式、GT系にベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。ステアリング形式は先代同様のラック&ピニオン式が踏襲され、タイヤはP215/60R15サイズが装着されました。また、安全装備面では全車にABSとトラクションコントロールが標準装備されました。
標準エンジンを「エコテック」に変更
その後2000年モデルで、直4エンジン車の標準トランスミッションがゲトラグ製5速MTに変更されました。次いで2001年モデルでホイールのデザインが変更されるとともに、全高が20mm高くなりました。同時に、SE2が廃止されました。続く2002年モデルでは、標準エンジンが2.2L直4DOHCのL61型「エコテック」(最高出力142ps/最大トルク20.7kgm)に変更されました。
追って2003年モデルでSE系の装備がダウングレードされ、ABSとトラクションコントロールがオプション扱いとなりました。そして2005年をもって生産を終了、グランダムの車名は2017年現在に至るまでGMのラインナップから姿を消すこととなりました。