1990年に初代モデルがデビューしたルノーのBセグメントFFコンパクトカー「クリオ」は、2005年9月に7年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目「クリオⅢ」に移行しました。日産と共同開発したプラットフォームが採用された他、先代からボディが拡大され日本においては3ナンバーサイズとなり、居住性が向上した事が特徴でした。日本では「ルーテシア」の名前で販売されました。
セダンに代わりワゴンを設定
ボディタイプは4ドアセダンが廃止され、3ドア/5ドアハッチバックと新たに設定された5ドアステーションワゴン「エステート」の3タイプとなりました。スタイリングは、随所にプレスラインを取り入れ従来よりも躍動的なイメージに変貌しました。ハッチバックのボディサイズは全長3,986mm×全幅1,707mm×全高1,419mmで、先代から全項目において拡大されました。
一方エステートは、それよりも若干大きい4,032mm×1,719mm×1,497mmのディメンションでした。ホイールベースは全ボディ共通の2,575mmで、先代からは100mm程延長されました。サスペンション形式は、先代同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式を踏襲しながら、構造の変更により乗り心地の改善が図られました。
エンジンは当初、1.1L SOHC(最高出力75ps/最大トルク10.7kgm)、1.4L DOHC(最高出力98ps/最大トルク13kgm)、1.6L DOHC(最高出力111ps/最大トルク15.4kgm)の直4ガソリンNAと、チューニングの異なる3種類の1.5L直4DOHCディーゼルターボ(最高出力68ps/最大トルク16.3kgm・最高出力86ps/最大トルク20.4kgm・最高出力106ps/最大トルク24.5kgm)が用意されました。
ホットハッチ版を追加
トランスミッションは、5速/6速MTと4速トルコン式ATが設定されました。そして翌2006年、専用の内外装や足回りなどが備わる3ドアボディに、ガソリン2L直4DOHC NAエンジン(最高出力197ps/最大トルク21.9kgm)+6速MTを搭載するホットハッチ「RS」(ルノー・スポール)が追加されました。その動力性能は、最高速度215km/h・0-100km/h加速6.9sという高水準なものでした。
次いで2009年、フェイスリフトによりフェイズ2に移行すると共に、新たなエンジン・ラインナップとしてガソリン1.6Lのハイチューン版(最高出力128ps/最大トルク15.8kgm)と、ガソリン2Lのデチューン版(最高出力140ps/最大トルク19.8kgm)が追加されました。同時に、RSは最高出力を201psに高めた「RSカップ」に進化しました。
そして2012年7月にフルモデルチェンジが実施され、現行型「クリオⅣ」に移行しました。日本市場には、従来同様「ルーテシア」の車名で3ドア/5ドアハッチバックのガソリン車のみが導入されました。まず2006年3月に1.6Lエンジン搭載3/5ドアのベースグレード(5速MT/4速AT)と、上級グレード「eLe」(4速AT)が上陸を果たしました。
次いで2009年10月、フェイズ2仕様としてまずRSの導入が開始され、追って2010年3月に1.6Lエンジン+5速MT/4速AT搭載5ドアのベースグレードが追加されました。続いて2012年2月には、ベースグレードに仕様変更(内外装の一部変更や5速MTの廃止など)が実施されると共に、「ナイト&デイ」のグレード名が与えられました。