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ロールス・ロイス ファントムⅡ (1929-1936):シャシーを一新するとともにパワートレインを改良

1906年に正式に創立されたイギリスの高級車メーカー、ロールス・ロイスは、1929年に「ニューファントム(ファントムⅠ)」の後継モデルとなる新型乗用車「ファントムⅡ」をリリースしました。それまでからシャシーを一新、リアアクスルが変更されるとともに、パワートレインにも改良が施されました。

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エンジンの出力が向上

ボディの架装は従来同様、カールトン、ヘンリー、フーパー、マリナー、パークウォードなどのコーチビルダーにゆだねられました。そのバリエーションは、それまでと同様フィクスドヘッドボディの4ドア・リムジンやオープンボディの4ドア・カブリオレ、2ドアのドロップヘッドクーペなどが存在しました。また、スタイリングも先代のイメージが踏襲されていました。

シャシーは、ホイールベースが3,658mmの標準仕様と3,810mmのロングホイールベース仕様の2種類が用意され、ボディの全長はそれぞれ5,080mm、5,334mmとなっていました。駆動方式はコンベンショナルなFRが踏襲され、エンジンも7,668cc水冷直列6気筒OHV12バルブ仕様がキャリオーバーされました。

5.28:1の圧縮比と自社製シングルキャブレターにより発生する最高出力は122hp/3,000rpmで、従来から26hpの向上を果たしていました。トランスミッションは、エンジンと一体化された構造の4速MT(当初は全段ノンシンクロ)が組み合わせられ、標準仕様は最高速度135km/h・0-80km/h加速14.5sの動力性能を発揮しました。

スポーティモデル「コンティネンタル」を追加

また、4輪リジッド・アクスル式を踏襲するサスペンションのスプリングは、フロントは従来同様の半楕円リーフスプリングで、リアはそれまでのカンチレバー・リーフスプリングに代わりフロント同様の半楕円リーフスプリングが採用されました。そのほか、ステアリング形式はウォーム&ナット式が踏襲され、ブレーキも引き続きメカニカルサーボ付きの4輪ドラム式が装備されました。

その後1930年に、ホイールベースを短縮した専用シャシーや専用チューニングの足回りが備わるスポーティモデル「コンティネンタル」が追加されました。次いで1933年、トランスミッションの3/4速がシンクロメッシュ付きに改良されると同時に、それまでの恒例を破り、コーチビルダー製のボディを自社のファクトリーにて架装したコンプリートモデルの販売が開始されました。

さらに1935年には、トランスミッションが2速にもシンクロメッシュが備わるタイプに改良されました。そして1935年、大幅なリファインが施された後継モデル「ファントムⅢ」の登場にともない、生産終了となりました。総生産台数は1,675台でした。

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