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ロールス・ロイス シルヴァークラウドⅠ (1955-1958):シルヴァードーンの後継モデルとして登場

ロールス・ロイスは1955年、1949年にリリースした「シルヴァードーン」の後継モデルとなる「シルヴァークラウド」を発売しました。シャシーは一新されていたものの、それ以外のメカニカル・コンポーネンツの多くはシルヴァードーンや「シルヴァーレイス」からのキャリオーバーでした。また、同時にデビューした「ベントレー・Sタイプ」とは基本設計を共有する姉妹車種の関係にありました。

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スタイリングを近代化

ボディタイプは、ロールス・ロイス自身の手により架装された4ドアセダンのほか、コーチビルダーの手による2ドアクーペや2ドアコンバーチブルも存在しました。それらのスタイリングは従来から近代化され、ほぼフラッシュサイド・フルワイズといえるフォルムとなっていました。

ラダーフレーム式のシャシーは、標準ホイールベース仕様(3,124mm)とロングホイールベース仕様(3,226mm)の2種類が設定されました。前者の場合でも、シルヴァードーンからは延長されていました。ボディサイズは全長5,385mm(標準ホイールベース仕様)/5,480mm(ロングホイールベース仕様)×全幅1,899mm×全高1,626mmで、全長と全幅が拡大された一方で全高は低められていました。

エンジンはシルヴァーレイス用の改良型

サスペンションはシルヴァードーンの強化版といえる内容で、形式はフロントにコイルスプリングを用いた独立懸架式が、リアにリーフスプリングを用いたリジッド・アクスル式が採用されました。駆動方式はコンベンショナルなFRが踏襲され、エンジンはシルヴァーレイス譲りの4,887cc直列6気筒oise方式(吸気側がOHV、排気側がSV)の改良型が搭載されました。

圧縮比はシルヴァーレイスよりも高い7.25:1で、キャブレターはSUツイン・キャブレターが装着されました。最高出力は、同社のポリシーにともない公表されませんでした。トランスミッションはシルヴァーレイスからキャリオーバーされたGM製4速ATのみの設定で、4速MTの設定はなくなりました。標準ホイールベース仕様のパフォーマンスは、最高速度171km/h・0-60mph加速13sでした。

ブレーキはシルヴァードーン同様に、フロントに油圧式サーボ、リアに機械式サーボが備わる4輪ドラム式が採用されました。また、当初はステアリングにパワーアシストは備わらなかったものの、翌1956年にパワーステアリングがオプション設定され、さらに1957年には標準化されました。また、同じ1957年にアメリカ市場向けモデルの圧縮比が8:1に高められ、追って本国向けも同じ仕様となりました。

そして1959年のビッグマイナーチェンジにより、「シルヴァークラウドⅡ」に移行しました。総生産台数は2,359台で、そのうちコーチビルダーによりボディが架装された個体は156台でした。

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