1979年に初代モデルがデビューしたスズキの軽自動車「アルト」は、2009年12月に5年ぶり6度目のフルモデルチェンジが実施され、7代目モデルに移行しました。丸みを帯びたファンシー系の内外装デザインに変更されると共に、燃費性能の改善が図られました。更に、ライバルの「ダイハツ・ミライース」に対抗すべく、燃費性能を追求した派生モデル「アルトエコ」が追加されました。
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5代目モデル以来のCVTを設定
ボディタイプは先代同様、セダン/バン共に5ドアハッチバックのみの設定で、ボディサイズは全高が35mm拡大され全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,535~1,545mmとなりました。ホイールベースは40mm長い2,400mmに設定され、車両重量はほぼ先代並みの710~810kgでした。サスペンション形式は、先代同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:I.T.L式が踏襲されました。
駆動方式は従来同様FFとフルタイム4WDが設定され、エンジンは型式こそ先代同様の660cc直3DOHCのK6A型NA仕様ながら、VVTの搭載により最大トルクが0.2kgmアップし最高出力54ps/最大トルク6.4kgmのスペックとなりました。トランスミッションは5速MTと4速トルコン式ATに加え、5代目モデル以来となるCVT(副変速機付きのニュータイプ)が設定されました。
当初のグレード体系は、セダンは下から「E」「G」「F」「X」の4タイプをラインナップ、バンは「VP」のみのモノグレード設定でした。装備面では、セダンはEを除く全車にセキュリティアラームシステムが、更にXにはイモビライザーシステムやキーレスプッシュスタートシステムが標準装備されました。そして翌2010年5月に、Eがカタログ落ちしました。
アルトエコが登場
更に同月、Gの4WD・CVT車をベースにキーレスプッシュスタートシステムや分割可倒式リアシートを採用した「G4」が追加されました。次いで2011年12月、ボディの軽量化や空力特性改善と共に、エンジンを低燃費仕様のR06A型(最高出力52ps/最大トルク6.4kgm)に置換するなど様々な燃費向上対策を施したFF専用モデル「アルトエコ」が発売されました。
グレード体系は「ECO-L」「ECO-S」の2タイプで、両グレード共通となるJC08モード30.2km/Lの燃費は純ガソリン車としてトップの数値でした。次いで2012年6月に保安基準改正に伴う仕様変更が実施され、ヘッドレストの形状変更やISOFIX対応チャイルドシート固定アンカーの追加(バンを除く)が行われました。
又、アルトエコに採用されたエコインジケーターがMT車を除く全車に装備された他、アルトエコは車両重量が10kg低減されました。追って翌7月、アルトエコに内装色に水色を取り入れた「EC-Sエコブルーパッケージ」が追加されました。次いで2013年3月にアルトエコのマイナーチェンジが実施され、内外装の変更や装備の充実化と共に、フルタイム4WD仕様が追加されました。
同時に、車両重量を20kg軽量化すると共に新アイドリングストップシステムを採用するなど更なる燃費向上対策が図られ、JC08モード燃費はFF車で33km/Lに向上しました(4WD車は30.4km/L)。一方、ベースモデルのアルトにも一部改良が施され、車両重量の軽量化やCVTの改良によりCVT車の燃費が向上しました。
次いで2013年11月、アルトエコに一部改良が行われ、パワートレインの改良などによりJC08モード燃費がFF車で35km/L、4WD車で32km/Lに向上しました。同時にアルトはラインナップが大幅に整理され、バンVP及びセダンFの5速MT/4速AT仕様のみとなりました。そして2014年2月にアルト/アルトエコ共に販売を終了、現行型となる8代目モデルにバトンタッチされました。