1982年に「キャリイバン」のマイナーチェンジ版として登場したスズキ自動車の軽ワンボックス型バン「エブリイ」は、1991年9月に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目モデルに移行しました。駆動方式が従来のFRベースから、歴代モデル唯一となるMRベースに変更された事が最大の特徴でした。
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リアサスペンションを変更
ボディタイプは従来同様、左右に後席用スライドドアが備わる5ドアのキャブオーバー型で、ボクシーなフォルムや異形角型2灯式ヘッドランプ採用のフロントマスクなども先代のイメージを受け継ぐものでした。又、当初は標準ルーフ/ハイルーフが用意されるビジネス仕様が「キャリイバン」として独立した為、エブリイはハイルーフ相当のみの設定となりました。
ボディサイズは、全長・全幅は先代後期型と同一の3,295mm×1,395mmで、全高は先代ハイルーフ仕様と同等の1,865mmとなりました。又、ホイールベースは160mm延長され2,000mmとなりました。サスペンション形式はフロントはマクファーソンストラット式を踏襲する一方、リアは古典的なリジッド・リーフ式から5リンク・ドティオン/コイル式に変更されました。
ターボエンジンが復活
駆動方式はMRの他に、フルタイム方式及び副変速機付パートタイム方式の4WDが設定されました。エンジンは、先代からキャリオーバーされた660cc直3SOHCのF6A型で、NA仕様に加え先代末期に廃止されたターボ仕様が復活しました。最高出力/最大トルクは、NAは42ps/5.8kgmと50ps/5.9kgmの2種類の仕様を設定、ターボは当初61ps/8.9kgmでした。
トランスミッションは、それぞれに5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、下から「CX」「CY」「ターボPS」「CZスーパーサウンド」の4タイプでスタート、追って同年12月にスーパーマルチルーフ仕様のトップグレード「ターボRZスーパーマルチルーフ」が追加されました。
そして1993年1月、グレード体系の見直しによりCX/CY/CZスーパーサウンドが廃止され、代わって「ジョイポップ」「ジョイポップターボ」「ジョイポップサウンド」が設定されました。次いで同年11月の一部改良でキャリイバンがエブリイに統合され、新たにビジネスグレードの「GA標準ルーフ」「PBハイルーフ」「GL標準ルーフ」「PLハイルーフ」「PAハイルーフ」「PDハイルーフ」がラインナップに加わりました。
更に、新グレード「ジョインハイルーフ」も追加されました。次いで1995年3月の一部改良でターボエンジンのアウトプットが最高出力64ps/最大トルク10kgmに向上すると共に、ビジネスグレードから標準ルーフ/ハイルーフの表記が廃止されました。又、ジョインハイルーフは「ジョインリミテッド」のグレード名に変更されました。
続いて1997年4月のマイナーチェンジで内装の変更などが行われると共に、レトロ調の外観が備わる「クラシック」が追加になり、ジョインリミテッドは廃止されました。そして1999年1月、軽自動車規格改正に伴いフルモデルチェンジが実施され、4代目モデルに移行しました。