トヨタの高級クロスオーバーSUV「ハリアー」は、2代目モデルが2013年7月に生産終了となり一旦ラインナップから姿を消したものの、その5ケ月後の12月に3代目が発売開始になりました。先代まで姉妹車種の関係にあった「レクサスRX」と袂を分かち独立した車種となり、ダウンサイジングにより燃費性能が大幅に向上した他、安全装備の充実が図られた事が特徴でした。
新車購入ガイド:ハリアーの値引き 納期 乗り出し価格
ボディはダウンサイジングされ、躍動感あるスタイリングに
スタイリングは、先代の流麗なプロポーションを踏襲しながら、ショルダー部の水平ラインの強調や傾斜が強められたリアクォーターピラーにより、更に躍動感やスピード感が強調されたデザインに変貌しました。ボディサイズは全長4,720mm×全幅1,835mm×全高1,690mmで、先代よりもそれぞれ15mm×10mm×20mmダウンサイジングされ、ホイールベースも55mm短縮され2,660mmとなりました。
それにより最小回転半径が0.4m縮小され取り回し性が向上した他、ダウンサイジングにも関わらず居住空間やラゲッジスペースが拡大されました。サスペンションは4輪ストラット式だった先代に対し、リアがダブルウィッシュボーン式に変更されました。又、車両重量は先代から若干軽量化され、1,560kg~1,800kgとなりました。ブレーキは先代同様フロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が踏襲されました。
パワートレインもダウサインジングし、燃費が大幅アップ
パワートレインは先代同様ガソリンエンジンとハイブリッドの2本立てで、ボディと同様ダウンサイジングが行われました。ガソリンエンジンは、先代の2.4L直4から2L直4VVT-iの3ZR-FAE型(最高出力151ps/6,100rpm、最大トルク19.7kgm/3,800rpm)に置換され、同時にアイドリングストップ機構も搭載されました。トランスミッションは、先代の4速トルコン式ATから高効率のCVT「Super CVT-i」に変更されました。
又、駆動方式はFFと4WDが設定される点は先代と同様であるものの、4WD車が先代のフルタイム式からオンデマンド式に変更されました。これらの変更により、燃費は先代から40%以上も向上した14.8km/L~16km/Lとなりました。一方ハイブリッドは、方式こそ先代同様の「リダクション機構付THS-Ⅱ」による電気式4WDを踏襲するものの、こちらもダウンサイジングが図られました。
エンジンが先代の3.3L V6から2.5L直4アトキンソンサイクルの2AR-FXE型に変更され、システム出力は272psから197psへと大幅に低下した反面、燃費は20%以上改善され21.4km/L~21.8km/Lとなりました。トランスミッションはTHS-Ⅱ恒例の電気式無段変速機で、駆動方式は先代同様4WDのみが設定され、こちらはガソリン車と異なり従来通りのフルタイム式が踏襲されました。
数々の安全装備を搭載
グレード体系は下から「GRAND」「ELEGANCE」「PREMIUM」「PREMIUM Advanced Package」の4種類で、「ELEGANCE」以上のグレードに衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」を設定する他、「PREMIUM」以上に「レーンディパーチャーアラート」を、「PREMIUM Advanced Package」に左右確認サポート付き「パノラミックビューモニター」を装備など、充実した安全装備が特徴となっています。
そして2015年1月、ガソリン車にスポーツコンバージョンモデル「G’s」が追加されました。専用フロントグリルや専用スポーティシートなどにより内外装の差別化が図られる他、ボディ剛性の強化やスポーツサスペンションの採用などにより、走行性能の向上を図ったモデルとなっています。パワートレインのスペックに変更はなく、ベースモデル同様FFと4WDが設定されます。
次いで6月にマイナーチェンジを実施し、パノラミックビューモニターに「シースルービュー」機能が追加された他、「GRAND」にもプリクラッシュセーフティが設定されるなどの仕様変更が行われました。3代目ハリアーの販売は大変好調で、発売開始以来このカテゴリーの車種としてはトップの販売台数で推移していました。
そして2020年6月に4代目ハリアーにフルモデルチェンジをしました。