
ボルボ S60 2000
ボルボ・カーズは2000年、「S40」と「S80」の間を埋める新型ミディアムセダン「S60」を発売しました。「メルセデス・ベンツ・Cクラス」や「BMW・3シリーズ」などと競合するCセグメントモデルで、プラットフォームにはS80やステーションワゴン「V70」と共通のP2プラットフォームが採用されました。
優れた空力特性を実現
S40やS80同様4ドアセダンのみが用意されるボディは、S80を更に流麗にしたようなクーペテイストのスタイリングと共に、セダンとして非常に優秀なCd値0.28の空力特性を実現していました。ボディ・ディメンションは全長4,576mm×全幅1,804mm×全高1,428mm、ホイールベース2,715mmで、S40とS80の中間程度となっていました。

ボルボ S60 2000
サスペンション形式はS40/S80と同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式で、駆動方式は当初FFのみの設定でした。エンジンは、まず2L直5ターボ(最高出力180ps)、2.3L直5ターボ(最高出力250ps)、2.4L直5 NA(最高出力140ps)、2.4L直4NA(最高出力170ps)のガソリンと、2.4L直5(最高出力163ps)のディーゼルターボが用意されました。
安全装備が充実
トランスミッションは当初、5速MTと5速トルコン式ATが設定されました。一方安全装備面は、ボルボ車らしく大変充実しており、SRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステム、むち打ち症対策安全シート、プリテンショナー付シートベルト、EBD付ABS、スタビリティ&トラクションコントロールが標準装備されました。

ボルボ S60 2000
そして翌2001年、2.4L直5ガソリンターボエンジン(最高出力200ps)が追加されると共に、同エンジンを搭載するフルタイム4WD車がラインナップに加わりました。更に2002年には、フルタイム4WD車に2.5L直5ガソリンターボエンジン搭載車が追加されました。最高出力210psのロープレッシャー版と300psのハイプレッシャー版があり、後者はスポーティグレード「R」に搭載されました。

ボルボ S60 2000
続いて2005年、フェイスリフトにより内外装デザインが刷新された他、2.4L直5ガソリンターボエンジンのハイプレッシャー版(最高出力260ps)が追加されました。次いで2008年の2度目のフェイスリフトで内外装が小変更された後、2010年にフルモデルチェンジが実施され、現行型となる2代目モデルに移行しました。
日本市場にはガソリンAT車のみをを導入
初代S60の日本仕様車は全てガソリンエンジン+AT仕様で、まず2001年1月に2.3Lターボエンジン搭載の「T-5」、2.4L NAエンジン搭載の「2.4」、同ターボエンジン搭載の「2.4T」が上陸しました。追って同年10月にフルタイム4WD仕様の「AWD」が、次いで2002年7月には2.4L NAエンジン搭載の廉価版となるベースグレードが追加されました。

ボルボ S60 2000
更に同年11月には、T-5に代わり「T-5スポーツ」が設定されると共に、AWDのエンジンが2.5Lロープレッシャーターボに置換されました。続いて2003年5月、Rが特別仕様車として追加されました。次いで2004年4月、2.4Tに代わり2.5Lロープレッシャーターボエンジン搭載の「2.5T」が設定され、追って同年10月にはT-5スポーツのエンジンが2.4Lハイプレッシャーターボに置換されました。
続いて2005年8月、Rが改良型のエンジンと新開発の6速AT、最新の4WDシステムを搭載した上でカタログモデルとなって加わりました。次いで2006年8月にフェイスリフト版の導入が開始され、2008年7月には2度目のフェイスリフトが施されたモデルに切り替えられると共に、グレード体系が2.4L NAエンジン搭載の「2.4SE」と2.5Lターボエンジン搭載の「2.5T AWD」の2タイプとなりました。
次いで翌8月に、2.4L NAエンジン搭載の「クラシック」が追加されました。