ボルボ・カーズは1986年3月のジューネーブ・ショーにおいて、同社として初となるFF方式を採用した4シーター小型3ドアハッチバッククーペ「480」を発表しました。追ってプラットフォームを共有する5ドアハッチバック「440」と3ボックス型4ドアセダン「460」がラインナップに加わり、400系ファミリーを形成するに至りました。
480はリトラクタブルヘッドランプを採用
480のスタイリングは、かつて生産されたシューティングブレーク「1800ES」を彷彿とさせるプロポーションと共に、同社初のリトラクタブルヘッドランプが採用された事が特徴でした。ボディサイズは全長4,258mm×全幅1,710mm×全高1,323mm、ホイールベースは2,503mmで、全長は1800ESより短かったものの、リアシートの居住性は大幅に向上していました。
サスペンション形式は、フロントにマクファーソンストラット式が、リアにはワッツリンク+パナールロッド式が採用されました。ステアリング形式はラック&ピニオン式で、ブレーキは4輪ディスク式が採用されました。エンジンは当初、ガソリン1.7L直4SOHC NA(最高出力109ps/最大トルク14.8kgm)が搭載されました。
トランスミッションは5速MTが組み合わせられ、最高速度190km/hの性能を発揮しました。その後1988年に、フロントスポイラーや専用の加飾が備わるボディにガソリン1.7L直4SOHCターボエンジン(最高出力120ps/最大トルク17.8kgm)を搭載し、最高速度200km/hの性能を持つ「480ターボ」が追加されました。
440/460は480と異なるスタイリングを採用
又、この年に前述の440が登場しました。ボクシーなフォルムと共に固定式ヘッドランプを採用するなど、スタイリングは480とは全く異なっていました。ホイールベースは同一であったものの、ボディサイズは全長4,345mm×全幅1,686mm×全高1,416mmと全長・全高が480よりも大きい他、乗車定員が5名となっていました。
エンジンは、480よりも出力を抑えた1.7L直4SOHC NAと、480と同一スペックの1.7L直4SOHCターボが用意されました。そして460が加わったのは、翌1989年の事でした。ボディサイズは全長4,435mm×全幅1,686mm×全高1,416mmで、480にトランクルームを付け足したようなスタイリングを持っていました。エンジン・ラインナップは460と共通でした。
次いで1992年、480のエンジンが2L直4SOHC NA(最高出力110ps/最大トルク16.8kgm)に置換された他、460にも同エンジンが設定されました。このエンジンに組み合わせられるトランスミッションは、5速MTの他に4速トルコン式ATが設定されました。次いで翌1993年、440にも同エンジンが追加されました。
続いて1994年には、440/460に1.9L直4SOHCディーゼルターボエンジン(最高出力90ps/最大トルク18kgm)が追加されました。そして1996年にまず480が廃止され、追って440/460も生産終了となりました。日本市場には、1989年から1990年に掛けて480ターボのみが導入されました。