ホンダは2001年12月に、「キャパ」の実質的な後継モデルとして「フィット」ベースのコンパクトなミニバン「モビリオ」を発売、追って2002年9月に派生モデルの「モビリオスパイク」を追加しました。モビリオはヨーロッパのトラムをモチーフにしたエクステリアデザインが採用され、モビリオスパイクには遊びの道具としての個性を強調するアレンジが行われました。
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フィット譲りのセンタータンクレイアウトを採用
ボディ構造は、低床かつ広い室内空間を実現すべく、フィット譲りのセンタータンクレイアウトが採用されました。ボディタイプは両者共に左右に後席用スライドドアが備わる5ドアで、スタイリングはショートノーズ・ビッグキャビンのプロポーションや広いガラスエリアが特徴でした。両者の相違点は、フロント廻りのデザインやリアクォーターウィンドウの有無(モビリオ:有・モビリオスパイク:無)などでした。
又、モビリオが3列シート7人乗り仕様であるのに対し、モビリオスパイクは2列シート5人乗り仕様となるなど、室内面でも差別化が図られました。ボディサイズは、モビリオが全長4,055~4,070mm×全幅1,685mm×全高1,705~1,760mm、モビリオスパイクが全長4,125mm×全幅1,695mm×全高1,705~1,760mmで、共にキャパよりも一回り以上大きくなりました。
ホイールベースは両者共にキャパより380mm長い2,740mmで、初期型の車両重量はモビリオが1,250~1,340kg、モビリオスパイクが1,230~1,310kgでした。駆動方式は共にFFとフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがFF車はリジッド・アクスル式、4WD車はドディオン・アクスル式でした。
ホンダ モビリオのCM
エンジンは2種類の仕様を用意
エンジンは専用に開発された1.5L直4SOHCのL15A型で、8バルブ仕様(最高出力90ps/最大トルク13.4kgm)と16バルブVTEC仕様(最高出力110ps/最大トルク14.6kgm)が用意され、発売当初はモビリオに前者が、モビリオスパイクに後者が搭載されました。トランスミッションは、全車CVT「ホンダ・マルチマチックS」が組み合わせられました。
そして2002年12月に、モビリオに装備の充実を主としたマイナーチェンジが施され、次いで2003年5月にはモビリオをベースとした福祉車両「モビリオ・アルマス」が追加されました。続いて2004年1月にモビリオが、翌2月にモビリオスパイクがマイナーチェンジを受け、共に内外装の一部変更や装備の充実化が行われた他、モビリオにVTECエンジン搭載車が追加されました。
次いで2005年12月にモビリオ/モビリオスパイク共にマイナーチェンジを受け、モビリオは主として装備の充実が図られ、モビリオスパイクは主として内外装の変更が行われました。そして2008年5月に後継モデルの「フリード」が発売された事に伴い、翌6月にモビリオ/モビリオスパイク共に生産終了となりました。