アルファロメオは2005年のジュネーブ・モーターショーで、「156」の後継モデルとなるスポーツセダン「159」を発表しました。親会社のフィアットがGMと資本提携を結んだ為、プラットフォームやパワートレインがGM系メーカーであるオペルと共通の物に一新されました。又、ボディ拡大により156では難のあった居住性が大幅に改善された事も特徴でした。
「ブレラ」顔を採用
ボディタイプは156同様4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの「スポーツワゴン」が用意され、デザインはアルファロメオ・デザインセンターとジョルジュエット・ジウジアーロの共同作業により行われました。スタイリングは、同時期にデビューしたスポーツクーペ「ブレラ」に類似したフロントマスクが与えられると共に、156よりもシャープな造形となりました。
ボディサイズは全長4,690mm×全幅1,830mm×全高1,415mm(セダン)/1,420mm(スポーツワゴン)で、156から全長が260mm、全幅が85mm拡大されました。ホイールベースは105mm延長され2,700mmとなり、車両重量は200kg以上増加し1,480~1,740kgとなりました。サスペンション型式は、フロントは156同様のダブルウィッシュボーン式が踏襲された一方、リアはストラット式からマルチリンク式に変更されました。
発売当初の搭載エンジン及びグレードは、セダン/スポーツワゴン共にガソリンが1.9L直4DOHC搭載の「1.9JTS」、2.2L直4DOHC搭載の「2.2JTS」、3.2L V6 DOHC搭載の「3.2V6」の3タイプ、ディーゼルが1.9L直4SOHCターボ搭載の「1.9JTDM」、2.4L直5DOHCターボ搭載の「2.4JTDM」の2タイプでした。駆動方式は「3.2 V6」がフルタイム4WDで、それ以外は156同様FFが採用されました。
最高出力/最大トルクは、ガソリン1.9Lが160ps/19.4kgm、同2.2Lが185ps/23.5kgm、同3.2Lが260ps/32.8kgm、ディーゼル1.9Lが150ps/32.6kgm、同2.4Lが200ps/40.8kgmでした。トランスミッションは、直4エンジン車に6速MT及び6速AMT「セレスピード」が、V6エンジン車に6速MT及び6速トルコン式AT「Q-トロニック」が設定されました。
後期型でエンジンラインナップを変更
安全装備面では、156から受け継がれたVDC(横滑り防止装置)やMSR(エンジンブレーキ・コントロール)などに加え、新たに坂道発進をアシストするヒルホールド・システムが採用されました。そして2007年に、1.8L直4DOHCガソリンエンジン(最高出力140ps/最大トルク17.8kgm)を搭載する「1.8MPI」が追加されました。次いで2008年の一部改良で、アルミ素材の導入によるボディの軽量化や内装の意匠変更が行われました。
続いて2009年に1.75L直4DOHCガソリンターボエンジン(最高出力200ps/最大トルク32.6kgm)を搭載する「1750TBi」と、2L直4DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力170ps/最大トルク36.7kgm)を搭載する「2.0JTDM」が追加されました。そして翌2010年に「1750TBi」を除くガソリン車が廃止され、更に2011年にはグレードが「2.0JTDM」のみに整理されました。
日本への導入期間は2006年2月から2011年7月迄で、ラインナップは「2.2JTS」と「3.2JTS」の2タイプが基本でした。