スズキ自動車は1993年の第30回東京モーターショーにおいて、ガラスルーフ+Tバールーフが備わる2シーター3ボックス型ボディに、パートタイム4WD方式の駆動系を設定したユニークなコンセプトSUV「X90」を出展しました。市販化を望む声が多かった事を受け1995年10月に国内販売が開始され、海外への輸出も行われました。
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着脱式ガラスルーフを採用
車体の構成は、SUVの初代「エスクード」から受け継いだラダー式フレームに、丸みを帯びたフォルムの2ドアクーペボディが架装されました。Bピラー及びリアウィンドウは固定式で、トランクリッドにはハイマウントストップランプ内蔵のリアスポイラーが装着されました。着脱式のサンシェード付ガラスルーフは、専用ケースに収納した上でトランクルーム内に格納する事が可能でした。
ボディサイズは全長3,710mm×全幅1,695mm×全高1,550mmで、全長・全幅はベースとなったエスクード3ドア車から拡大された一方、全高は立体駐車場に収納出来る高さに抑えられていました。ホイールベースはエスクード3ドア車と共通の2,200mmで、車両重量は1,080~1,100kgでした。サスペンションは形式は、エスクード同様のフロント:ストラット式/リア:トレーリングリンク式が踏襲されました。
駆動方式は、国内向けはパートタイム4WDのみの設定であったものの、輸出向けには2WD(FR)も用意されました。エンジンは、国内外を問わずオールアルミ製1.6L直4DOHC16バルブ EPI(電子燃料噴射)仕様のG16A型が搭載されました。国内仕様のスペックは、最高出力100ps/6,000rpm・最大トルク14kgm/4,500rpmでした。
4WD車は副変速機付き
トランスミッションは5速MTと4速トルコン式ATが設定される他、4WD車には副変速機が備わっていました。10モード燃費はMT車が13.4km/L、AT車が11.6km/Lでした。ブレーキは一般的なフロント:ディスク式/リア:ドラム式で、タイヤはSUVらしく前後共195/65R15という大径の物が装着されました。尚、ホイールはスチール製で、アルミホイールの設定はありませんでした。
インテリアは丸形4眼式メーター採用のシンプルなインパネが備わり、安全装備としてサイドインパクトバーと前席シートベルトプリテンショナーが、快適装備としてマニュアルエアコンやパワーウィンドウ、集中ドアロックが装備されました。ボディカラーは当初ブラックメタリックとレッドの2色のみであったものの、翌1996年5月にシルバーメタリックが追加されました。
販売面では、モーターショー出展時の反響に反し国内においては振るわず、発売開始から僅か2年余りの1997年12月に販売終了となりました。一方、海外ではその個性が評価され、一定の人気を獲得しました。
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