日産自動車は1999年11月、前年にリリースしたミニバン「プレサージュ」をベースとし、それよりも上級に位置する新型ミニバン「バサラ」を発売しました。プラットフォームやパワートレインをはじめ、フロント廻りやリアコンビネーションランプの意匠など一部の相違を除きボディシェルもプレサージュと共通でした。
3種類のエンジンでスタート
ボディタイプはプレサージュ同様オールヒンジドア採用の5ドアで、縦基調のフロントグリルの採用によりプレサージュとの差別化が図られていました。ボディサイズは全長4,795mm×全幅1,770mm×全高1,720~1,725mm、ホイールベースは2,800mmで、全長が僅かに延長された事を除きプレサージュと同一のスペックでした。
駆動方式はプレサージュ同様FFとフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式も同様にフロントにストラット式が、リアはFF車にマルチリンクビーム式が、4WD車にマルチリンク式が採用されました。エンジンもプレサージュと同様、当初2.4L直4のKA24DE型と3L V6 のVQ30DE型のガソリンNA2種類と、2.5L直4ディーゼルターボのYD25DDTi型が用意されました。
最高出力/最大トルクはそれぞれ150ps/22kgm、220ps/28.5kgm、150ps/28.5kgmでした。又、トランスミッションは全車4速トルコン式ATとの組み合わせとなる点や、VQ30DE型エンジン搭載車はFFのみの設定となる点もプレサージュと同一でした。又、インテリアもインパネの意匠などを含め基本的にプレサージュと同一でした。
日産 バサラのCM
当初カタログモデルは7人乗りのみ
但し、2-3-2シート配列の7人乗り仕様と3-3-2シート配列の8人乗り仕様がカタログモデルとして設定されたプレサージュと異なり、当初7人乗り仕様が基本で8人乗り仕様はオプションでした。当初のグレード体系は、各エンジン搭載車に下から「V」「X」の2タイプがラインナップされると共に、Xに「ラグジュアリーパッケージ」と「本革パッケージ」が用意されました。
更に、特別仕様車としてオーテックジャパンの手によりエアロパーツなどが装着される「アクシス」が設定されました。尚、価格帯はプレサージュよりも20~40万円程高く設定されていました。そして2000年4月に3L車が仕様変更を受け、装備の見直しが図られると共にグレード名が「Vツーリング」「Xツーリング」に変更されました。
追って同年6月、特別仕様車として2.4Lエンジンを搭載する「Kid’sバージョン」「Kid’sバージョン後席テレビ付車」「NAVIエディション」が設定されました。次いで同年11月には2.4L/2.5Lディーゼル車が仕様変更を受け、8人乗り仕様がカタログモデル化された他、グレード体系が下から「Jスプレンド」「V NAVIツーリング」「Xナビツーリング」となりました。
続いて2001年8月のマイナージェンジにより、内外装デザインの一部変更や装備の充実化が図られると共にディーゼル車が廃止になりました。同時にグレード体系も見直され、2.5L車は下から「J」「V」「ハイウェイスター」「X」、3L車は「V」「ハイウェイスター」「X」となりました。又、オーテックジャパンが手掛ける特別仕様車として、アクシスに代わり「ライダー」が設定されました。
そして2003年6月に実施されたプレサージュのフルモデルチェンジに伴い生産を終了、1代限りでラインナップから消滅しました。