アウディAGは2005年9月のフランクフルト・ショーにおいて、同社初のクロスオーバーSUVとなる「アウディ・Q7」を発表しました。「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」や「ポルシェ・カイエン」と共通のL7プラットフォームに3列シート7人乗りの5ドアボディが架装され(追って5人乗り仕様を追加)、駆動方式は同社得意のフルタイム4WD「クワトロ・システム」が採用されました。
兄弟車種より大柄なボディ
同社のアイデンティティであるシングルフレームのフロントグリルが備わるボディのサイズは、全長5,086mm×全幅1,983mm×全高1,737mmで、トゥアレグやカイエンよりも一回り大きい堂々たる体躯でした。又、ホイールベースは3mを超える3,002mmで、トゥアレグ/カイエンより150mm程長い長大なものでした。
サスペンション形式はフロントに4リンク式が、リアにトラペゾイダルと呼ばれるダブルウィッシュボーン式が採用されました。欧州仕様のパワートレイン及びグレードは、まず3L V6ディーゼルターボエンジン(最高出力233ps/最大トルク51kgm)+マニュアルモード付6速トルコン式AT「ティプトロニック」搭載の「3.0TDI」のモノグレードでスタートしました。
徐々にラインナップを拡充
その後、2007年に4.2L V8ディーゼルターボエンジン(最高出力326ps/最大トルク77.5kgm)搭載の「4.2TDI」が追加され、更に2008年には3.6L V6直噴ガソリンNAエンジン(最高出力280ps/最大トルク36.7kgm)搭載の「3.6FSI」、4.2L V8直噴ガソリンNAエンジン(最高出力350ps/最大トルク44.9kgm)搭載の「4.2FSI」、6L V12ディーゼルターボエンジン(最高出力500ps/最大トルク102kgm)搭載の「6.0TDI」が追加されました。
次いで2009年にフェイスリフトが実施されると共に、3L V6直噴ガソリンスーパーチャージドエンジン(最高出力280ps/最大トルク40.8kgm)搭載の「3.0TFSI」及び同ハイチューン仕様(最高出力333ps/最大トルク44.9kgm)搭載の「3.0TFSI Sライン」が追加されました。同時に、3.0TDIのエンジンがクリーンディーゼル(最高出力240ps/最大トルク56.1kgm)に置換され、グレード名が「3.0TDIクリーンディーゼル」となりました。
又、新たなトランスミッションとしてZF製の8速トルコン式ATが追加されました。そして2015年にフルモデルチェンジが実施され、現行型タイプ4Mに移行しました。日本市場における初代Q7は、まず2006年10月に4.2FSIクワトロが上陸を果たし、翌2007年4月に3.6FSIクワトロが追加されました(※北米及び日本市場ではガソリン3.6L/4.2Lエンジンを欧州より早く設定)。
次いで2010年7月にフェイスリフト版3.0TFSIクワトロの導入が開始され、3.6FSIクワトロ/4.2FSIクワトロはカタログ落ちしました。そして2013年9月をもって販売を終了、およそ2年半のブランクを経て2016年3月に新型がリリースされました。