輸入車を生産国で分けると、主だったところでアメリカ車、ドイツ車、英国車、フランス車、イタリア車、スウェーデン車等がありますが、何れもグローバル化され、かつて程生産国による個性の違いはなくなっています。
基本的な運転操作方法も、国産車と比べ極端な違いはなく、初めて輸入車に乗る人にとっても戸惑う事はあまり無いと言っても差し支えありません。しかし、国産車と全く同じ感覚で運転出来るかと言えば、そうとも言えない面もあります。
左ハンドルのメリットとデメリット
まず、ハンドル位置に関してですが、近年の輸入車は右ハンドル仕様になっている事が多くなっています。しかし、一部の高級車やスポーツカー等は、左ハンドルのまま輸入されているケースもあります。
左ハンドル車の場合、右折時や追い越しをする際の安全確認の点でハンデがありますし、路上駐車する際に左側一杯に寄せて停めると降車出来なくなるデメリットもあります。又、ETCの無い一部の有料道路や有料駐車場を利用する場合、チケットを取ったり料金を支払ったりする作業が面倒になります。
しかし、それらは慣れや割り切りで解消出来る部分も多いので、左ハンドルである事は致命的な欠点とは言えません。逆に、右ハンドル仕様の場合、特にホイールベースの短いコンパクトカーに当てはまる事ですが、ペダル配置に無理があるケースが少なくありません。
具体的には、ペダルが全体的に左側にオフセットしているケースが多いのですが、ドライビングポジションが不自然になったり、ペダルの踏み間違えの恐れがあるなどのデメリットが生じます。ですから、右ハンドルと左ハンドルの両方が用意されている輸入コンパクトカーの場合、むしろ積極的に左ハンドル仕様を選んだ方が良いケースさえあります。
なぜ輸入車は右ハンドルでもウインカーが逆なのか
次に、ウインカーレバーの位置に関してですが、大半の輸入車は、右ハンドル仕様の場合でも左側に付いています。これは、本国仕様のステアリングポストをそのまま流用している為ですが、国産車に慣れたドライバーは、最初のうちはウインカーを出すつもりが誤ってワイパーを動かしてしまうケースが度々生じます。
慣れが解消する問題ですが、国産車と2台持ちをする場合は、そうした操作ミスを皆無にするのは難しいものです。もし間違ってワイパーを動かしてしまった場合は、ウインドウォッシャー液を出して誤魔化すしかありません。
カーナビの設置に困ることも
それから、特にイタリア車やフランス車、アメリカ車等に見られる傾向ですが、ダッシュボードのデザインが、カーナビの装着を全く考慮していない車種があります。それは、欧米では日本程カーナビが普及していない為ですが、そのような車種にカーナビを取り付けたい場合は、少々困った事になります。
見た目の収まりの良さや性能には目を瞑って、PNDをダッシュボードの上やエアコンのルーバー等に装着するしか手段がありません。インダッシュナビに慣れた人は、見た目の他に操作性と性能にも不満を感じるに違いありませんが、この点は割り切るより他ありません。