1970年、当時BLMCの一員であったランドローバーは、1948年にリリースした「ランドローバー」以来となる新型SUV「レンジローバー」を発売しました。先進的なフルタイム4WD方式と高性能エンジンの組み合わせによる優れた走行性能に加え、快適性や豪華な仕様を併せ持つ点が高く評価され、26年に渡り生産が継続されるロングセラーカーとなりました。
前後重量配分50:50を実現
ラダーフレームに架装されるボディは当初3ドアのみの設定で、スタイリングは機能性を重視したスクエアなフォルムが特徴でした。初期型のボディサイズは全長4,470mm×全幅1,778mm×全高1,778mmで、ホイールベースは2,540mmでした。車両重量は1,724kgで、前後重量配分は理想的な50:50を実現していました。又、最低地上高は190mmとなっていました。
エンジンは当初、ローバー製のガソリン3.5L V8OHVツインキャブレター仕様(最高出力132ps)が搭載されました。トランスミッションは副変速機付きの4速MTが組み合わせられ、最高速度154km/hの性能でした。サスペンション形式は、フロント:3リンク/コイル式・リア:トレーリングアーム/コイル式による4輪リジッド式が採用されました。
又、ブレーキは4輪ディスク式が採用されました。その後1979年にパワーステアリングが標準装備されると共に、クーラーがオプション設定されました。次いで翌1980年に5ドアモデルがラインナップに加わり、更に1981年には上級グレード「ヴォーグ」が追加されました。続いて1982年に3速トルコン式ATが、1983年に5速MTが追加されました。
ディーゼル車やガソリンV8車を追加
次いで1984年に三角窓が廃止され、翌1985年には4速トルコン式ATが追加されました。続いて1986年、イタリアのVM社製2.4L直4OHVディーゼルターボエンジン(最高出力106ps)搭載車が追加されました。次いで1988年、センターデフが手動ロック式からビスカス・カップリング式に変更されると共に、ABSが標準装備されました。
同時に、ガソリン3.9L V8OHVエンジン(最高出力188ps)を搭載し、最高速度180km/hの性能を持つ「ヴォーグ3.9SE」が追加されました。そして1990年に2.4Lディーゼル及び3.5Lガソリンエンジンが廃止され、1992年には全長とホイールベースを延長した5ドアボディに、ガソリン4.3L V8OHVエンジン(最高出力206ps/最大トルク34.7kgm)を搭載する「4.3i」が追加されました。
同時に、エアサスペンションが設定されました。そして1994年に2代目モデルがリリースされた後も、車名を「レンジローバー・クラシック」に改めた上で1996年まで継続生産されました。初代モデルが正規代理店ローバージャパンを通じて日本市場に初上陸したのは1990年4月の事で、当初3.9Lエンジン(最高出力170ps)+4速AT搭載5ドアのモノグレード設定でした。
そして1992年12月、4.3Lエンジン(最高出力200ps)+4速AT搭載の上級グレード「バンデンプラ」が追加されると共に、ベースグレード用3.9Lエンジンの最高出力が180psに向上しました。その後1994年5月をもって販売終了となりました。