フォード・モーター(ヨーロッパ・フォード)は1996年9月、コンパクトカーの3代目「フィエスタ」のコンポーネンツを流用したハッチバック型パイクカー「Ka」(カー)をリリースしました。メカニズムは平凡だったものの、ユニークな内外装デザインが好評を博し欧州ではヒット作となりました。その後、コンバーチブルもラインナップに加わりました。
5速MT仕様のみを設定
ボディタイプは、当初用意されたのは3ドアハッチバックで、スタイリングは丸みを帯びたフォルムや異型ヘッドランプ、黒い樹脂製の前後バンパーなど個性的な造形を備えていました。ボディサイズは全長3,620mm×全幅1,631mm×全高1,368mmで、フィエスタよりも全長が200mm程短く、全高は50mm近く高いディメンションでした。
ホイールベースは実質的にフィエスタと同一の2,448mmで、車両重量は908kgでした。サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式/リア:ツイストビーム式を踏襲、駆動方式もフィエスタ同様にFFでした。エンジンは当初、フィエスタにも設定される1.3L直4OHVの「エンデューラEユニット」(最高出力60ps/最大トルク10.7kgm)が搭載されました。
組み合わせられるトランスミッションは5速MTのみの設定で、動力性能は最高速度が150km/h、0-60mph加速が14.7sでした。一方室内は、乗車定員は4名で、インパネはエクステリア同様曲線基調の個性的な造形が採用されました。タコメーターは標準では備わらず、オプション扱いでした。安全装備面では、SRSデュアルエアバッグシステムやABSなどが標準装備されました。
新車情報’99 フォード Ka
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その後2002年に、エンジンが1.3L直4SOHCの「デュラテック・ユニット」(最高出力70ps/最大トルク10.8kgm)に置換されました。この変更により、パフォーマンスは最高速度が167km/hに向上するとともに、0-60mph加速は13.7sに短縮されました。次いで2003年、新たに2つのバリエーションが追加になりました。
ひとつは、Kaをベースに1.6L直4SOHCの「Zetecエンジン」(最高出力94ps/最大トルク13.8kgm)を搭載するとともに、強化サスペンションや専用16インチアルミホイールを採用したホットハッチ「SportKa」(スポーツカー)、もうひとつは、2ドア・ソフトトップコンバーチブルボディにSportKaと同じエンジンを搭載する「StreetKa」(ストリートカー)でした。
パフォーマンスは最高速度はともに174km/hで、0-60mph加速は前者が9.7s、後者が10.8sでした。そして2005年のマイナーチェンジで内装の変更などが行われた後、2008年のフルモデルチェンジにより2代目モデルに移行しました。日本市場においては、1999年2月から2001年1月に掛けてKaベースグレードが正規輸入されました。