ドイツ・フォードは1952年、大衆車「タウヌス」にフルモデルチェンジを実施し、G13系に移行させました。戦後初のモデルとして1948年に発売したG93A型タウヌスが、戦前に設計されたG73A型をベースとしていたのに対し、G13系は完全なる新設計が行われていました。モノコックボディや前輪独立懸架式サスペンションの採用など、従来型から大幅な近代化が図られました。
モダンなスタイリングに変貌
初期型は12Mと呼ばれ、ボディタイプは2ドアセダンと3ドアステーションワゴンの「コンビ」、および2ドアカブリオレの3タイプがラインナップされました。スタイリングは、G73A型が戦前モデルの名残を色濃く残し、独立したフロントフェンダーやサイドステップを備えていたのに対し、フラッシュサイド・フルワイズのモダンなフォルムに変貌しました。
また、2分割式だったフロントウィンドウは一枚ガラスに変更されました。ボディサイズは全長4,070mm×全幅1,590mm×全高1,550mmで、先代から全長が10mm、全幅が105mm拡大された一方、全高は30mm低く設定されました。ホイールベースは2,490mmで、先代から103mm延長されました。車両重量は820kgで、独立したフレームを備えていた先代から110kgもの軽量化を果たしました。
駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンも当初は水冷1.2L直4SV(サイドバルブ)ソレックス・シングルキャブレター仕様がキャリオーバーされました。アウトプットは最高出力37.5ps/4,250rpm・最大トルク7.6kgm/2,200rpmで、圧縮比アップなどの改良により先代から最高出力が3.5ps向上していました。組み合わせられるトランスミッションは、従来同様の3速MTでした。
1.5Lエンジン搭載モデルを追加
ブレーキは当時として一般的な4輪ドラム式を踏襲し、タイヤも先代同様の5.90×15サイズが装着されました。その後、1955年にフェイスリフトが実施され、フロントグリルの意匠が変更されました。さらに同年、1.5L直4OHVエンジン(最高出力55ps/4,250rpm・最大トルク12.2kgm/2,400rpm)を搭載する15Mが追加されました。
トランスミッションは3速MTが標準で、オプションで自動クラッチの「サクソマット」が設定されていました。また、上級グレード「15Mデラックス」には、専用フロントグリルやツートーンボディカラーが与えらえた他、フロントウィンドウ・ウォッシャーやチューブレスタイヤなどが装備されました。
次いで1957年、12Mにもサクソマットがオプション設定され、翌1958年には2度目のフェイスリフトを実施、フロントグリルの意匠が再度変更されました。そして1959年にフルモデルチェンジ(実質的にはビッグマイナーチェンジ)が実施され、エクステリアをリデザインした2代目モデルに移行しました。