1960年にリリースされたGM(ゼネラルモーターズ)のコンパクトカー「シボレー・コルヴェア」は、1965年に5年ぶりのフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに移行しました。RRレイアウトや空冷水平対向エンジンなど特徴的なメカニズムを踏襲しながら、総合的な完成度が高められました。また、美しいスタイリングも2代目コルヴェアの特徴でした。
ハードトップ・ボディを設定
ボディタイプは、センターピラー付の2ドアクーペおよび4ドアセダンに代わり、センターピラーレスの2ドア/4ドアハードトップが設定されました。また、引き続きオープンボディの2ドアコンバーチブルがラインナップされた一方、5ドアステーションワゴンは廃止されました。その他、先代に引き続きワンボックス型のステーションワゴン/バン/ピックアップトラックが用意されました。
ハードトップおよびコンバーチブルのスタイリングは、先代より遥かに洗練されたヨーロッパ車調のものとなりました。ボディサイズは全長4,656mm×全幅1,770mm×全高1,341mmで、先代から一回り拡大された一方、ホイールベースは先代と同一の2,743mmでした。リアに搭載されるエンジンは、空冷2.7L水平対向6気筒OHVがキャリオーバーされました。
ターボエンジンも用意
標準的なグレードにはNAのみが用意され、最高出力96ps仕様が標準で、最高出力112ps仕様がオプション設定されました。一方、上級グレード「コルサ」用は、最高出力を142psまで高めたNAが標準となる他、オプションで最高出力183psのターボが用意されました。トランスミッションは3速MTが標準で、オプションで4速MTと2速トルコン式AT「パワーグライド」が用意されました。
サスペンションはリアの形式が改められ、ブレーキは4輪ドラム式を踏襲しつつ大径化が図られました。また、ステアリング形式はリサーキュレーティング・ボール式が踏襲されました。装備面では、インダッシュ・タイプのエアコンやAM/FMステレオラジオ、テレスコピック式ステアリングなどが採用されました。
そして翌1965年、ワンボックス型モデルが全てカタログ落ちしました。次いで1966年、フロントスポイラーが装備されるとともに、3速/4速MTに改良が加えられました。次いで1967年には、衝撃吸収式ステアリングコラムの採用をはじめ安全性の強化が図られました。続いて1968年、4ドアハードトップがラインナップから落とされました。
そして翌1969年、後継モデルがリリースされることなく生産終了となり、コルベアの車名はGMのラインナップから消滅しました。これにより、2代目コルヴェアはGM最後のRR車および空冷水平対向エンジン搭載車となりました。