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アルファロメオ ジュニアZ (1969-1975):ザガートの手による美しいスタイリングを持つクーペ

アルファロメオは1969年11月に開催されたトリノ・ショーにおいて、新型2シーター・スポーツクーペ「ジュニアZ」を発表しました。1963年にデビューした「ジュリアスプリントGT」から始まった「105/115シリーズクーペ」のバリエーションのひとつで、カロッツェリア・ザガートのデザインによる個性的かつ美しいスタイリングが持ち味でした。

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フロントグリルにプレクシグラスを採用

ボディシェルはスチール製で、ボンネットは軽量化のためアルミニウムが採用されていました。ボディタイプはテールゲートが備わる3ドア・ハッチバッククーペで、スタイリングはウェッジシェイプのフォルムやプレクシグラスに覆われた低いフロントマスク、鋭角的にそぎ落とされたコーダトロンカのリアエンドなど、他の105/115シリーズとは全く異なる特徴を備えていました。

ボディサイズは全長3,900mm×全幅1,550mm×全高1,280mmで、ジュリアスプリントGTと比較すると一回り小振りでした。ホイールベースは他の105/115シリーズよりも100mm短く、「スパイダー」と同一の2,250mmに設定されていました。また、車両重量は920kgでした。サスペンション形式は、他の多くのアルファロメオ車と同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:トレーリングリンク式が踏襲されました。

初期型は1.3Lエンジンを搭載

駆動方式は同社の伝統ともいえるFRが踏襲され、エンジンは「GT1300ジュニア」にも搭載される1.3L直4DOHCウェーバー・ツインキャブレター仕様(最高出力89ps/6,000rpm・最大トルク14kgm/2,800rpm)が搭載されました。トランスミッションは5速MTが組み合わせられ、最高速度175km/hの性能を発揮しました。

ステアリング形式は他の105/115シリーズ同様のウォーム&ローラー式(ロック・トゥ・ロック3.7回転)で、ブレーキも同様に4輪ディスク式が採用されました。また、タイヤは165SR14が装着されていました。室内は、丸型5眼式メーターが備わるブラック仕上げのスパルタンなインパネが備わるほか、フロア式のシフトレバーはコンソールボックス上方に水平に近い角度で突き出していました。

後期型は1.6Lエンジンに置換

また、バケットタイプの運転席&助手席の後ろには、手荷物置き場として利用できるベンチが設けられていました。そのほか、ベンチレーションのためにテールゲートを電動により僅かに開く機能が備わっていました。その後1972年11月に排気量を1.6Lに拡大した「1600ジュニアZ」が発表され、1.3LのジュニアZと置き換えられました。

スペックは最高出力109ps/6,000rpm・最大トルク15.9kgm/2,800rpmで、5速MTを介しての最高速度は190km/hに向上しました。また、内外装も一部変更されたほか、全長が4,000mmに延長されました。そして1975年に生産終了となりました。

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