ゼネラルモーターズ(GM)は1964年、ポンティアック・ブランドより2+2仕様の新型スポーティカー「GTO」を発売しました。ボディサイズの割に大排気量のエンジンを搭載、ハイパフォーマンスを売り物とした所謂「マッスルカー」で、車名は「フェラーリ・GTO」に触発され命名されました。市場からの反応も良く、商業的に大きな成功を収めました。
ボディは3タイプ
プラットフォームは他のポンティアック・ブランドやオールズモビル・ブランドのモデルにも採用された「Aボディ」で、ボディタイプは2ドアクーペと2ドアハードトップ、そして2ドアコンバーチブルの3タイプがラインナップされました。スタイリングは直線基調で、初期型は横配列の4灯式ヘッドランプを備えていました。
ボディ・ディメンションは全長5,156mm×全幅1,862mm×全高1,372mm、ホイールベース2,912mmで、当時の基準ではミディアム・サイズに属するものでした。駆動方式はコンベンショナルなFRで、エンジンは当初6.4L V8OHVシングルキャブレター仕様(最高出力330ps/最大トルク59.1kgm)または同3連キャブレター仕様(最高出力353ps/最大トルク59.1kgm)が搭載されました。
トランスミッションはフロア式3速MTが標準で、オプションで4速MTとフロア式またはコラム式の2速ATが用意されました。ステアリング形式は、ロック・トゥ・ロック5回転のスローなギアレシオを持つパワーアシストなしのリサーキュレーティング・ボール式で、ブレーキは前後ともドラム式が装備されました。また、タイヤは7.50×14サイズが装着されました。
1965年のM/Cでヘッドランプを縦目に
そして翌1965年にマイナーチェンジが実施され、ヘッドランプが縦配列の4灯式に変更されるとともに、フロントグリルやボンネットフードのデザインが変更されました。また、インパネのデザインにも変更が施されたほか、エンジンの最高出力がシングルキャブレター仕様が340psに、3連キャブレター仕様が365psに向上しました。
次いで1966年に再びマイナーチェンジが実施され、ベルトラインがリアクォーターウィンドウ部分で跳ね上がる「コークボトルライン」が導入されるとともに、テールランプの意匠も変更されました。エクステリア・デザインの変更にともない、ボディサイズは全長が5,243mm、全幅が1,890mmに拡大されました。また、インパネの意匠やスイッチのレイアウトにも変更が施されました。
続く1967年には、テールランプの意匠が再度変更されるとともに、エンジンが6.6L V8OHVシングル・キャブレター仕様に置換されました。チューニングの異なる3種類が用意され、アウトプットはそれぞれ最高出力259ps/最大トルク54.9kgm、最高出力340ps/最大トルク61kgm、最高出力365ps/最大トルク60.6kgmでした。
そして1968年に初のフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。