ジャガーのスポーツカー「Fタイプ」は、2012年9月に開催されたパリモーターショーにおいて、「Eタイプ」の発売からおよそ半世紀ぶりの新型2シータースポーツカーとして出展されました。まず電動ソフトトップを持つコンバーチブルがデビューし、追ってフィクスドヘッドのクーペが追加されました。日本ではコンバーチブルが2013年5月に、クーペが2014年4月に発売されました。
スタイリングは、ジャガーならではの優美さとダイナミックさを併せ持つものとなっています。ボディサイズは全長4,470mm×全幅1,925mm×全高1,310~1,315mmで、4シータースポーツカー「XK」よりも320mm短く30mm広いショート&ワイドなディメンションになっています。ホイールベースはXKよりも130mm短い2,620mmで、車両重量はほぼ同等の1,720~1,860kgとなります。
エンジンは全車スーパーチャージャー仕様
サスペンション形式は、フロント:ダブルウィシュボーン式/リア:マルチリンク式のXKとは異なり、4輪ダブルウィッシュボーン式を採用します。駆動方式はジャガー伝統ともいえるFRがベースで、追ってフルタイム4WD車が追加されました。エンジンは、3L V6スーパーチャージドと5L V8スーパーチャージドが用意され、トランスミッションは8速トルコン式が基本で、3L車の一部に6速MTが追加設定されました。
発売当初のグレード体系及び搭載エンジンは、「コンバーチブル/クーペ」に最高出力340ps/最大トルク45.9kgmの3L V6が、「Sコンバーチブル/Sクーペ」に最高出力380ps/最大トルク46.9kgmのハイチューン版3L V6が、「V8Sコンバーチブル」に最高出力495ps/最大トルク63.7kgmの5L V8が、「Rクーペ」に最高出力550ps/最大トルク69.3kgmのハイチューン版5L V8がそれぞれ搭載されました。
装備面では、全車にメリディアン製サラウンドサウンドシステムが標準装備される他、「S」と「R」にクルーズコントロールとオートマチック・スピードリミッターが、「S」のみに発進加速を最適化する「ダイナミック・ローンチ・モード」と機械式リミテッドスリップデフが備わります。又、オプションでコーナーリング時のアンダーステアを軽減する「トルクベクタリング・バイ・ブレーキ」が用意されます。
錦織圭仕様を限定販売
そして2014年11月に発売された2016年モデルでグレード体系が変更され、最高出力550ps/最大トルク69.3kgm仕様の5L V8エンジンを搭載する「Rコンバーチブル」と、同エンジンとフルタイム4WD方式を組み合わせた「RクーペAWD」が追加され、「Sコンバーチブル」と「V8Sコンバーチブル」はカタログ落ちしました。同時に、プロテニスプレーヤー錦織圭がプロディースする限定車「KEI NISHIKORI EDITION」が発売されました。
そして2015年4月に、往年のレーシングカー「Dタイプ」をモチーフに内外装のモデファイを施し、5L V8スーパーチャージドエンジンを最高出力575psまでアップして搭載するコンバーチブルタイプの限定車「プロジェクト7」が発売されました。販売台数は僅か3台でした。