ジャガーは2001年3月のジュネーブ・ショーにおいて、「Sタイプ」の下位に位置すると同時に、同社として初のDセグメント車となる「Xタイプ」を発表しました。親会社であるフォードのFFセダン/ワゴン「モンデオ」とプラットフォームを共有する姉妹車種の関係にあったものの、欧州のライバル車との差別化を図る為、当初フルタイム4WDの設定のみでデビューしました。
ジャガー流のデザインを採用
まず4ドアセダンが用意されたボディは、小さなグリーンハウスや丸型4灯式ヘッドランプなど、モンデオとは異なるジャガー流儀のエクステリア・デザインが採用されました。ボディサイズは全長4,685mm×全幅1,790mm×全高1,420mmで、Sタイプより一回り小振りなディメンションでした。又、ホイールベースはモンデオより45mm短い2,710mmに設定されました。
搭載エンジン及びグレード体系は、当初2.5L V6DOHC(最高出力197ps/最大トルク24.9kgm)の「2.5V6」と、3L V6DOHC(最高出力234ps/最大トルク29kgm)の「3.0V6」の2種類が用意されました。トランスミッションは5速MTと5速トルコン式ATが設定され、「トラクション4」と呼ばれる4WDシステムの前後駆動力配分は40:60とリア寄りに設定されていました。
サスペンション形式は、モンデオ・ワゴンと共通のフロント:ストラット式/リア:マルチリンク式で、ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。安全装備面では、全車にSRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステムやEBD付ABS、プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルトが標準装備されました。
ディーゼル車やワゴンを追加
そして翌2002年に、2.1L V6DOHCエンジン(最高出力159ps/最大トルク20.4kgm)を搭載するFF方式のエントリーグレード「2.0V6」が追加されました。次いで2003年には、PSAと共同開発した2L直4DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力128ps/最大トルク33.8kgm)を搭載する「2.0D」が追加になりました。
更にこの年、リアオーバーハングを45mm延長した5ドアステーションワゴン「エステート」がラインナップに加わりました。こちらのグレード体系は、2.0D/2.5V6/3.0V6の3タイプでした。続いて2005年、セダン/エステートに排気量を2.2Lに拡大したディーゼルターボエンジン(最高出力154ps/最大トルク37.3kgm)を搭載する「2.2D」が追加されました。
そして2008年、後継モデルのリリースもないまま生産終了となりました。日本市場に導入されたのはガソリンAT仕様車のみで、まず2001年9月に2.5V6/2.5V6スポーツ/2.5V6SE/3.0V6SEが上陸を果たし、2003年5月に2.0V6が、2004年7月に2.0V6SEエステート/2.5V6SEエステートが追加されました。その後2006年6月に、グレード体系の変更が行われました。
新たなラインナップは、セダンは2.0エグゼグティブ/2.5エグゼクティブ/3.0ソブリンの3タイプ、エステートは2.0エグゼクティブエステート/2.5エグゼクティブエステートの2タイプでした。