マツダは1985年、ピックアップトラック「プロシード」を3代目モデルに全面改良し、1990年1月から2ドア・4WD仕様グレード「キャブプラス」の国内販売を開始しました。そして翌1991年1月、同車をベースに5ドアワゴン型ボディを架装した、歴代プロシード初のSUVとなる「プロシードマービー」を発売しました。
基本メカニズムはピックアップと共通
スタイリングは、輸出向けに用意されるプロシード・4ドアロング仕様の荷台部分にキャビンを追加したようなフォルムが特徴で、フロント部分にはカンガルーバンパーが追加されました。ボディサイズは全長4,950mm×全幅1,720mm×全高1,800mmで、キャブプラスよりもそれぞれ35mm×15mm×115mm拡大されていました。
ホイールベースは同一の3,000mmで、フロント:1,440mm/リア:1,430mmのトレッドはフロントのみ10mm拡大されていました。又、車両重量は210kg重い1,740kgとなっていました。サスペンション形式はキャブプラス同様フロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリジッド・リーフ式で、4WDの方式も同様にパートタイム方式が採用されました。
室内は3列シート仕様で、乗車定員は7名でした。エンジンは当初、キャブプラスと共通の2.6L直4SOHCガソリンEGI仕様のG6型(最高出力120ps/最大トルク20.6kgm)が搭載され、トランスミッションは5速MTのみの設定でした。グレード名を持たないモノグレード設定で、装備面では電動サンルーフが標準装備される事が特徴でした。
様々な特別仕様車を設定
そして1992年4月に、4速トルコン式AT仕様が追加されました。追って同年9月、フロントフォグランプや15インチアルミホイールなどが装備される特別仕様車「カスタムエディション」が、続いて1994年2月には、テントなどの専用装備を追加した特別仕様車「ワイルドブリーズⅡ」が設定されました。
更に同年8月、カスタムエディション同等の装備に加え、アイバワークス製ステンレスグリルガードやロングルーフレールが追加される特別仕様車「スペシャルエディション」が、翌1995年2月には、スペシャルエディションと同様の装備に専用ファブリックシートやシースルーヘッドレストなどが追加装備される特別仕様車「ワイルドブリーズⅢ」が設定されました。
M/Cでエンジンを刷新
続いて1996年3月のマイナーチェンジでフェイスリフトが実施されると共に、全幅が90mm、トレッドが前後共に40mm拡大された他、タイヤサイズがワイド化されました。同時に、2.5L直4SOHCディーゼルターボのWL-T型エンジン(最高出力125ps/最大トルク30kgm)搭載車が追加された他、ガソリン車はエンジンが2.5L直4SOHC EGI仕様のGS-E型(最高出力120ps/最大トルク20.1kgm)に置換されました。
又、装備面ではアルミホイールが標準化された他、ガソリン/ディーゼル両車にフロントフォグランプやリアスポイラーが装備される「Sパック」が設定されました。そして1999年1月、後継車種が発売される事もなく販売終了となり、1代限りでマツダのラインナップから消滅しました。