ホンダのプレミアムセダン「レジェンド」は、先代モデルが2012年に生産を終了したものの、翌2013年に北米市場において現地仕様の新型レジェンドである「アキュラRLX」がデビューを果たしました。そして2015年2月に国内においても発売を開始し、およそ2年半ぶりに復活を遂げました。先代からは全ての面でリフレッシュされ、動力性能や燃費性能、安全性能など全方位的に改善されました。
ボディは一回り大きくモダンに
スタイリングは先代のイメージを残しつつも、より流麗なボディラインと独特な「ジュエルアイLEDヘッドライト」を持つモダンなデザインに変化しました。又、ボディは高張力鋼板の適用範囲拡大により、軽量・高剛性化が図られました。ボディサイズは全長4.995mm×全幅1,890mm×全高1,480mmで、先代よりも一回り拡大された他、ホイールベースも延長され2,850mmとなりました。
車両重量は後述するハイブリッド化の影響により、先代より130kg増加し1,980kgとなりました。サスペンションは、形式こそ先代同様の前:ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式を踏襲するものの、全面的に新設計された物が採用されました。パワートレインは、国内仕様は北米向けに用意されるガソリンは設定されず、ハイブリッドのみの設定となります。
高性能と低燃費を両立
ハイブリッドユニットは、新設計の「SPORT HYBRID SH-AWD」が採用されました。3.5L直6SOHC直噴NAエンジン+7速DCTと1基のモーターで前輪を、2基のモーターを内蔵した「TMU」(ツインモーターユニット)で後輪を駆動する、独創的な4WD方式のパラレル型ハイブリッドシステムである他、システム出力は純ガソリン車だった先代を遥かに凌ぐ382psを発生します。
又、エンジンのみ・モーターのみ・ハイブリッドの3つの動力源と、前輪駆動・後輪駆動・4輪駆動の3種類の駆動方式を自動的に切り替えて効率の良い走行を行い、燃費は先代比で90%以上も向上した16.8km/Lを実現しています。更に、TMUは加減速時に左右のトラクションを個別にコントロールするトルクベクタリング機能を備え、優れた操縦安定性を実現しています。
インテリア面では、特に後席の居住性が先代から大幅に改善された他、インパネやドアライニング、シートなどに本革を採用し、上質感がアップしています。安全装備の面では、ミリ波レーダーと単眼カメラによる安全運転支援システム「Honda SENSING」の他、世界初となる対歩行者衝突回避システム「歩行者事故低減ステアリング」を装備するなど、トップレベルの内容を誇っています。
新型レジェンドは、ホンダの技術屋マインドを惜しみなく投入した、走行性能・環境性能・安全性能といった全ての要素を高次元で満たした高級セダンとして、独自の存在感を放っています。しかし、国内においては高級セダン市場が限られる為、販売面では振るわない結果となっています。