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デ・トマソ マングスタ (1967-1971):ジウジアーロデザインのV8ミッドシップスポーツ

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

イタリアのデ・トマソ社によるスポーツカー「マングスタ」は、1967年に同社の市販モデル第2弾として発売されました。1964年に発売された同社初の市販モデル「ヴァレルンガ」が、小排気量エンジンを搭載するライトウエイトスポーツカーであったのに対し、マングスタでは一転して大排気量のスーパースポーツ路線に方向転換しました。

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ジウジアーロの手による個性的なスタイリング

ボディのデザインを手掛けたのは、当時カロッツェリア・ギアに在籍していた世界的デザイナー、ジウジアーロでした。ボディ形状は2シーターのファーストバッククーペで、流麗なプロポーションと共に、ガルウイングタイプの2分割されたテールゲートがデザイン上の特徴でした。又、低い位置に固定4灯式ヘッドランプを備えるフロントマスクも個性的なものでした。

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

ボディサイズは全長4,275mm×全幅1,830mm×全高1,100mmで、ヴァレルンガよりも二回り程大きく、同時代の代表的スーパーカー「ランボルギーニ・ミウラ」に近いサイズでした。ホイールベースは2,550mmで、最低地上高は120mm、車両重量は1,185kgでした。シャシーは、ヴァレルンガのものを改良・強化したものが使用されました。

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:betterparts.org)

デトマソ マングスタ(ポップアップ式の2灯仕様もあった) 1967-71 (出典:betterparts.org)

 

大排気量V8エンジンを搭載

サスペンション形式はヴァレルンガとは全く異なり、フロントがマクファーソンストラット式、リアが4リンク/コイル式でした。ブレーキは4輪ディスク式で、駆動方式はヴァレルンガ同様MR方式が採用されました。エンジンは、1.5Lという小排気量ユニットを搭載したヴァレルンガから一転し、フォード製4.7L(北米仕様は4.9L) V8 OHVの大排気量ユニットが選択されました。

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

4.7L版のスペックは最高出力305ps/5,000rpm、最大トルク56.8kgmで、自社製3.9L V12エンジンを搭載するランボルギーニ・ミウラと比較すると、最高出力で劣り最大トルクで勝るスペックでした。5速MTを介しての最高速度は250km/hで、絶対的には十分に高性能であったものの、300km/hを公称するミウラには及びませんでした。

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:carstyling.ru)

 

操縦安定性に難があり、販売は400台程度

操縦安定性や直進性の面では、前後重量配分が32:68でフロント荷重が極めて低かった事が影響し、難がありました。テールヘビーが問題視された後年のMR車「ランボルギーニ・カウンタック」でさえも40:60の前後重量配分であった事を考えると、如何に極端なテールヘビーであったかが分かります。

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:sciposts.com)

デトマソ マングスタ 1967-71 (出典:sciposts.com)

1970年に、より万人受けするスタイリングと優れたトータルバランスを持つ「パンテーラ」が登場した事により、翌1971年にマングスタは生産終了となりました。4年間における生産台数は400台程に留まり、成功作とは言えませんでした。しかしながら、現在は独創的なスタイリングや稀少性などから、愛好家の間で高い人気を得ています。

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