ホンダは2009年2月、ハイブリッド専用車の2代目「インサイト」を発売しました。2006年9月に初代モデルが生産終了となって以来およそ2年半ぶりの復活で、初代モデルが2人乗りの3ドアクーペでパーソナルカー的なキャラクターであったのに対し、2代目モデルでは5人乗り5ドアハッチバックの実用車へと大幅に方向転換しました。同時に、ハイブリッドシステムの性能向上も図られました。
スタイリングはライバルの「トヨタ・プリウス」と同様ワンモーションフォルムを採用し、ヒップアップしたテールエンドがデザイン上のアクセントでした。又、「エアロアスリート」のコンセプトの元空力特性も抜かりなく追求され、Cd値は初代モデルにこそ及ばないものの、実用セダンとしては優秀な0.28を実現していました。
5ナンバーサイズを維持
ボディサイズは全長4,390~4,395mm×全幅1,695mm×全高1,425~1,435mmで、初代モデルより拡大されたもののプリウスよりは一回り小さい5ナンバーサイズが維持されました。ホイールベースは初代モデルから大幅に延長され2,550mmとなり、車両重量も1,190~1,210kgと大幅に増加しました。サスペンションは、フロント:ストラット式/リア:トーションビーム式の形式が踏襲されました。
駆動方式も同じくFFとなる一方、パラレル式ハイブリッドシステム「IMAシステム」は全面的に刷新されました。エンジンは1.3L直4SOHC i-VTEC仕様(最高出力88ps/最大トルク12.3kgm)に、モーターも小型軽量化が図られた新設計のDCモーター(最高出力14ps/最大トルク8kgm)に変更され、トランスミッションはCVTのみとなりました。10.15モード燃費は初代モデルよりは低下したものの、30km/Lを実現していました。
一方インテリアは、メーターを上下に二分割配置したマルチプレックスメーターや、エコロジカル・ドライブ・アシスト・システムを採用するなど、未来的な雰囲気が備わるものでした。又、パッケージングも居住性や荷室スペースが重視され、ミニマムな室内空間しか備わらなかった初代モデルから大きく変貌しました。グレード体系は、下から「G」「L」「LS」の3タイプが設定されました。
M/Cで上級モデルを追加
そして2010年10月に一部改良が実施され、サスペンション特性の見直しにより操縦安定性と乗り心地の改善が図られた他、内装の質感向上や装備の充実が図られました。次いで2011年10月にマイナーチェンジが実施され、内外装の変更やエンジンの改良による燃費向上(31km/Lに)、サスペンション特性の見直しとVSA(横滑り防止装置)の採用による操縦安定性・乗り心地の改善などが行われました。
同時に、IMAシステムのエンジンを1.5L(最高出力111ps/最大トルク14.5kgm)に拡大し性能向上を図った上級モデル「インサイトエクスクルーシブ」が追加されました。モーターやトランスミッションは1.3Lモデルから変更はなく、10.15モード燃費は25.5~26.5km/Lとなりした。グレード体系は下から「XG」「XL」「XLインターナビセレクト」が設定されました。
そして2014年3月、搭載されているIMAシステムの旧式化や販売不振に伴い、生産終了となりました。同年12月に発売された「グレイス」が実質的な後継モデルとなりました。
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