ロータスは、1967年に発売した2+2シータースポーツカー「エラン+2」の後継モデルとして、1974年3月に同社初のフル4シーターモデルとなる2代目「エリート」を発売しました。初代エリートが1963年に生産終了となって以来、実に11年ぶりの車名復活となりました。性格は初代同様のグランツーリスモながら、ボディ形状はクーペからワゴンへと大きく変貌を遂げました。
シューティングブレイク風のスタイリング
車体の構造は、ロータス得意のXバックボーンフレームとFRP製ボディの組み合わせが踏襲されました。サスペンション形式は、フロントがそれまでも採用実績のあったダブルウィッシュボーン式で、リアは同社初のトレーリングアーム/ラテラルリンク式が採用されました。2枚のドアとガラスハッチを備えるボディは、シューティングブレイク風のスタイリングに纏められていました。
ボディサイズは全長4,565mm×全幅1,815mm×全高1,230mmで、初代よりも二回り以上も大きく、ホイールベースも200mm以上長い2,485mmでした。車両重量は1,200kgで、初代のおよそ2倍に達するものでした。ブレーキは、初代エリート及びエランが4輪ディスクブレーキを採用していたのに対し、リアがドラム式にダウングレードされました。
タイヤは、前後とも205/60VR14という当時としてはファットなサイズのものが与えられました。駆動方式は初代エリートやエランと同様のFRが採用され、「シリーズ1」と呼ばれる初期型に搭載されたエンジンは、ヴォクスホール製ユニットをベースにロータス自身の手によりツインカム化を図った2L直4DOHC16バルブ仕様で、デロルト・キャブレターが2基が装備されました。
ラグジュアリーな雰囲気
スペックは最高出力160hp/6,000rpm・最大トルク19.4kgm/4,900rpmで、トランスミッションは5速MTが標準となる他、同社初のATとなるボルグワーナー製の3速トルコン式ATが設定されました。装備面では、パワーウィンドウやカーステレオに加え、同社として初めてエアコンやパワーステアリング、熱線入りリアウィンドウが用意されるなど、従来にはないラグジュアリーな仕様が特徴でした。
グレード体系は下から「501」「502」「503」「504」の4種類が設定され、これらの内「503」には前述の装備が全て備わり、「504」はAT仕様でした。そして1980年にマイナーチェンジが行われ、「シリーズ2.2」に移行しました。エクステリアデザインが変更されると共に、エンジンの排気量が2.2Lに拡大され、スペックが最高出力163hp/6,500rpm・最大トルク23kgm/5,000rpmとなりました。
2代目エリートは、ライトウエイトスポーツ路線を走ってきたロータス社の従来のモデルとは余りにもキャラクターが異なっていた事や、品質管理に問題があった事などから、商業上は成功しませんでした。