ホンダは2004年5月に、「新世代プレミアム8シーター」をコンセプトに掲げた8人乗りの新型プレミアム・ミニバン「エリシオン」を発売しました。低床・低重心設計によりゆとりある室内空間や上質な走行性能と乗り心地を実現した他、画期的な可変シリンダーシステムを採用したエンジンを用意するなど、燃費・環境性能にも配慮が行われました。
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スタイリングはクルーザーがモチーフ
ボディは両側に後席用スライドドアを備える5ドアで、スタイリングはクルーザーがモチーフとされました。ボディサイズは全長4,840~4,920mm×全幅1,830~1,845mm×全高1,790~1,810mm、ホイールベースは2,900mmで、同世代の3代目「オデッセイ」よりも一回り大きく、特に全高は200mm以上高く設定されていました。車両重量は、初期型で1,780~1,990kgでした。
サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式はFFとデュアルポンプ式のフルタイム4WDが設定されました。エンジンは、発売当初2.4L直4 DOHC i-VTECのk24A型(最高出力160ps/最大トルク22.2kgm)と、3L V6 SOHC i-VTECのJ30A型(最高出力250ps/最大トルク31.5kgm)が用意され、後者には前述の可変シリンダーシステムが備わっていました。
トランスミッションは、全車5速トルコン式ATとの組み合わせでした。室内は、後席にいくにしたがってヒップポイントを高くする設計により2・3列目シートの開放感を実現した他、多彩なシートアレンジを可能としていました。発売当初のグレード体系は、2.4L の「M」「G」「X」、3Lの「VG」「VX」「VZ」の全6タイプのラインナップでした。
装備面では、3L全車に車両挙動安定化制御システム(VSA)が備わる他、更に「VZ」にはアダプティブ・フロントライトシステム(AFS)や追突軽減ブレーキ(CMS)+運転席/助手席E-プリテンショナーが標準装備されました。そして2004年12月に、「G」「VG」をベースに装備を充実させた新グレード「Gプレミアム」「VGプレミアム」が追加されました。
ホンダ エリシオンのCM
最上級モデル「プレステージ」を追加
次いで2006年12月にマイナーチェンジが実施され、内外装デザインの変更と同時に、3.5L V6 SOHC VTECのJ35A型エンジン(FF:最高出力300ps/最大トルク36kgm・4WD:最高出力279ps/最大トルク35kgm)を搭載すると共に、専用の内外装やチューンドサスペンションなどが備わる最上級モデル「プレステージ」(グレードは「SG」と「SZ」を用意)が追加されました。
次いで2007年8月に新グレードの追加が行われ、エリシオンに充実した装備を持ちながら買い得な価格を実現した「Gエアロ」「VGエアロ」が、エリシオンプレステージに2.4Lエンジンを搭載する「S」が加わりました。続いて2008年12月に2度目のマイナーチェンジが実施され、内外装の変更や装備の充実化と共に、エリシオンにエントリーグレード「LX」が追加されました。
そして2010年11月の最後のマイナーチェンジで内外装の一部変更と装備の充実化が行われた後、2013年10月をもって国内販売が終了となりました。