ホンダの軽ハッチバック車「トゥデイ」の初代モデルは、1985年9月に4ナンバーの商用モデルとしてデビューし、1988年2月には5ナンバーの乗用モデルが追加されました。ホンダの2ボックス型軽自動車としては1971~74年にかけて生産された初代「ライフ」以来のニューモデルで、同社独自の思想により居住性と走行性能を追求した設計が特徴でした。
ショートノーズ・ロングホイールベースが特徴
ボディタイプは3ドアハッチバックのみの設定で、スタイリングは短いノーズと大きな面積を持つフロントガラス、ボディの四隅に配置されたタイヤなど独特なプロポーションを備えていました。又、初期型は丸形2灯式ヘッドランプ採用によるファニーなフロントマスクも特徴でした。ボディサイズは、全長3,195mm×全幅1,395mm×全高1,315mmという当時の軽自動車規格に準じたものでした。
ホイールベースは当時の軽自動車としては長い2,330mmで、初期型の車両重量は550~560kgでした。駆動方式は当初FFのみの設定だったものの、1990年4月のマイナーチェンジでフルタイム4WDが追加されました。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式で、リアはFFにはリジッドアクスル式が、4WDにはマクファーソンストラット式が採用されました。
2度のM/Cでエンジンを変更
エンジンは、発売当初軽ワンボックス/トラック「アクティ」用の0.55L直2SOHCのEH型(最高出力31ps/最大トルク4.4kgm)が搭載され、トランスミッションは4速MT又は3速トルコン式AT「ホンダマチック」が組み合わせられました。そして1988年2月にマイナーチェンジが実施され、前述のように乗用タイプが追加された他、エンジンが新設計の0.55L直3SOHCのE05A型に置換されました。
最高出力36ps/最大トルク4.5kgmの標準仕様と最高出力42・44ps/最大トルク4.6・4.7kgmの高性能仕様が用意され、トランスミッションは5速MTの追加と共にATがリニューアルされました。同時に、エクステリア面ではヘッドランプやリアコンビネーションランプの意匠変更、リアウィンドウの拡大などが、インテリア面ではインパネのデザイン変更などが行われました。
ホンダ トゥデイのCM
次いで1990年2月に軽自動車規格の変更に伴うマイナーチェンジが実施され、全長が100mm延長されると共に内外装のデザインが変更されました。同時にエンジンが0.66Lに拡大されたE07A型に置換され、最高出力42ps/最大トルク5.4kgを発生するキャブレター仕様と、最高出力52ps/最大トルク5.6kgmを発生する電子燃料噴射仕様が設定されました。
そして1993年1月に乗用モデルがフルモデルチェンジを受け2代目JA4/5型に移行した後も、商用モデルは初代モデルのまま1998年9月まで生産が継続されました。