アウディAGは2006年、2005年に3代目にモデルチェンジを図ったアッパーミディアムセダン/ワゴン「A6/A6アバント」をベースとしたハイパフォーマンス版、「S6/S6アバント」をリリースしました。2代目S6/S6アバントが2004年に生産終了となって以来2年ぶりのリニューアルで、パワートレインの刷新によりパフォーマンスが一段と向上しました。
先代からフロントマスクを一新
ボディタイプは従来同様S6が4ドアセダン、S6アバントが5ドアステーションワゴンで、スタイリングはシングルフレームのフロントグリルの採用などによりイメージが一新されました。空力特性の指標となるCd値はS6が0.31、S6アバントが0.34で、前者は先代から0.03ポイント改善されました(S6アバントは同一値)。
ボディサイズは全長4,916mm(S6)/4,933mm(S6アバント)×全幅1,864mm×全高1,449mm(S4)/1,453mm(S4アバント)で、先代から全長と全幅が拡大されました。また、ホイールベースは2,847mmで、先代から90mmほど延長されました。A6/A6アバントに対しては、若干ワイド&ローなディメンションとなっていました。
S8譲りの5.2L V10 NAエンジンを採用
駆動方式はリニューアルされたフルタイム4WDシステム「クワトロ」のみの設定で、エンジンは従来の4.2L V8DOHC NAに代わり、上級モデル「S8」にも搭載される5.2L V10DOHC NAが採用されました。スペックは最高出力435ps/6,800rpm・最大トルク55.1kgm/3,000-4,000rpmで、先代から105ps/12.3kgmもの向上を果たしました。
トランスミッションは6速に多段化されたトルコン式AT「ティプトロニック」のみの設定で、先代で選択することが可能だった6速MTは廃止されました。パフォーマンスは、最高速度はS6/S6アバントともに250km/hで先代と同一ながら、0-100km/h加速タイムは大幅に短縮されS6が5.2s、S6アバントが5.3sとなりました。
サスペンション形式は、フロントは4リンク式を踏襲し、リアはダブルウィッシュボーン式に代わりトラペゾイダル式が採用されました。また、ホイール&タイヤは先代からワイド&扁平化が図られ、9J×19インチホイール+265/35R19タイヤの組み合わせが採用されました。その後2008年にマイナーチェンジが実施され、フロントグリルやリアコンビネーションランプ(S6のみ)の意匠などが変更されました。
S6アバントが日本初上陸
そして2011年、ベースモデルA6/A6アバントのフルモデルチェンジにともないS6/S6アバントは生産終了となり、翌2012年に新型A6/A6アバントをベースとしたC7系S6/S6アバントがリリースされました。日本市場においては、2006年6月にS6/S6アバントが同時に上陸を果たしました。S6アバントは日本初上陸となったほか、S6/S6アバントともに初の右ハンドル仕様が設定されました。
その後2009年1月に、マイナーチェンジ版への切り替えが行われました。