アウディAGは1994年末、1990年のフルモデルチェンジにより4代目となったアッパーミディアムモデル「アウディ・100」にマイナーチェンジを実施すると同時に、車名を「アウディ・A6」に変更しました。基本設計に変更は無かったものの、エクステリア・デザインはCd値0.29の空力性能を維持しながら一部変更が加えられました。
フロント/リア廻りの意匠を変更
ボディタイプはそれまでと同様、4ドアセダンと5ドアワゴンの「アヴァント」がラインナップされ、エクステリア面ではフロントマスクやリアコンビネーションランプの意匠などが変更されました。ボディサイズは全長4,795mm×全幅1,785mm×全高1,435mm(セダン)/1,470mm(アヴァント)で、100から全長が短縮された一方、全幅は僅かに拡大されました。
ホイールベースは2,685mmで、実質的に100と同等でした。サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式が踏襲され、駆動方式もそれまでと同様FFとフルタイム4WDの「クワトロ・システム」が設定されました。エンジンは新たに1.8L直4DOHC 20VガソリンNA(最高出力125ps)と、1.9L直4SOHCディーゼルターボ(最高出力90ps)がラインナップに加わりました。
それ以外は100からのキャリオーバで、ガソリンは2L直4SOHC 8V NA(最高出力101ps/116ps)、同DOHC16V NA(最高出力140ps)、2.3L直5SOHC NA(最高出力133ps)、2.6L V6SOHC NA(最高出力150ps)、2.8L V6SOHC NA(最高出力174ps)が、ディーゼルは2.5L直5SOHCターボ(最高出力116ps/140ps)がラインナップされました。
高性能なS6も用意
セダンにはより高性能な派生モデルとして「アウディ・S6」もラインナップされ、そちらには2.2L直5DOHCターボ(最高出力230ps)又は4.2L V8DOHC NA(最高出力290ps)が搭載されました。トランスミッションは従来から変更はなく、5速/6速MTと4速トルコン式ATが設定されました。その後フェイスリフトなどは行われないまま1997年にフルモデルチェンジを受け、2代目C5系に移行しました。
日本市場における初代A6は、1994年11月からFF方式のセダン「2.6」「2.8」と、フルタイム4WD方式のセダン「S6クワトロ」及びセダン/アヴァント「2.8クワトロ」の導入が開始されました。搭載エンジンは2.6が2.6L(最高出力150ps/最大トルク22.9kgm)、2.8/2.8クワトロが2.8L(最高出力170ps/最大トルク25.5kgm)、S6クワトロが2.2Lターボ(最高出力230ps/最大トルク31.6kgm)でした。
トランスミッションは、全車4速AT仕様でした。次いで1995年10月にセダンのFFグレード2.8がカタログ落ちし、翌1996年10月にはアヴァントにFFグレード2.6が追加されました。そして1997年9月移行、セダンを皮切りに順次2代目モデルに切り替えられました。