アウディAGは2012年、2011年に4代目にモデルチェンジを図ったアッパーミディアムセダン/ワゴン「A6/A6アバント」をベースとしたハイパフォーマンス版、「S6/S6アバント」をリリースしました。3代目S6/S6アバントからエンジンがダウンサイジング化され、燃費・環境性能が向上するとともに、動力性能のアップも実現しました。
空力特性が向上
ボディタイプは従来同様S6が4ドアセダン、S6アバントが5ドアステーションワゴンで、スタイリングはキープコンセプトながらも、新デザインのヘッドランプの採用などによりリフレッシュが図られました。また、A6/A6アバントに対しては、専用デザインのフロントグリルや前後バンパーなどにより差別化が図られました。
空力特性の指標となるCd値はS6が0.3、S6アバントが0.31で、先代比で前者は0.01ポイント、後者は0.03ポイント改善されました。ボディサイズは全長4,931mm(S6)/4,934mm(S6アバント)×全幅1,874mm×全高1,440~1,468mm(S4)/1,446~1,482mm(S4アバント)で、先代から僅かに拡大されました。ホイールベースは2,912mmで、先代から65mm延長されました。
シリンダー休止機構などを採用
また、車両重量は1,895kg(S6)/1,950kg(S6アバント)で、先代から15~20kgの軽量化を実現しました。駆動方式は従来同様フルタイム4WDシステム「クワトロ」のみの設定で、エンジンは先代の5.2L V10DOHC NAに代わり4L V8DOHCターボが採用されました。スペックは、最高出力が先代から15psダウンの420ps/5,500-6,400rpm、最大トルクが1kgmアップの56.1kgm/1,400-5,200rpmでした。
また、軽負荷時にシリンダー8本のうち4本を休止させる「シリンダーオンデマンド」機構や、アイドリングストップ機構、エネルギー回生機構といった省エネシステムが採用されたことも特徴でした。さらに、4気筒走行時の騒音・振動を軽減する「アクティブノイズキャンセレーション」や「アクティブエンジンマウント」などの機構も取り入れられました。
トランスミッションは先代の6速トルコン式AT「ティプトロニック」に代わり、7速DCTの「Sトロニック」が組み合わせられました。パフォーマンスは、最高速度はS6/S6アバントともに250km/hで先代と同一ながら、0-100km/h加速タイムは0.6s短縮されS6が4.6s、S6アバントが4.7sとなりました。
サスペンション形式は、フロントは4リンク式から5リンク式に変更され、リアはトラペゾイダル式が踏襲されました。また、「アダプティブエアサスペンション」が採用されたことが特徴でした。
M/Cで衝突被害軽減ブレーキを標準化
2014年にマイナーチェンジが実施され、フロントまわりやリヤまわりの意匠が変更されるとともに、衝突被害軽減ブレーキ「アウディプレゼンス」をはじめとする安全運転支援システムが採用されました。
日本市場においては、2012年8月にS6/S6アバントが同時に上陸を果たしました。その後2014年5月にS6/S6アバントに特別仕様車「サムライブルー11リミテッドエディション」が設定され、2015年7月にはマイナーチェンジ版への切り替えが図られました。