1994年に「アウディ・100」のマイナーチェンジ版として誕生したアッパーミディアムモデル「アウディ・A6」は、1997年にフルモデルチェンジが実施され2代目C5系に移行しました。ボディの空力特性が更に向上し、Cd値は0.1ポイント低い0.28を実現した他、サスペンション形式が一新されるなどメカニズム面にもリファインが施されました。
より流麗なフォルムに
ボディタイプは先代同様、4ドアセダンと5ドアワゴンの「アヴァント」がラインナップされました。エクステリア面では、セダンはファストバックのフォルムが採用され、アヴァントもテールゲートの傾斜が強められるなど、流麗なイメージを強めたものとなりました。ボディサイズは全長4,796mm×全幅1,810mm×全高1,453mm(セダン)/1,479mm(アヴァント)で、先代から全幅・全高が若干拡大されました。
又、ホイールベースは75mm延長され2,760mmとなりました。駆動方式は先代同様、FFとフルタイム4WDの「クワトロ・システム」が設定されました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式から4リンク式に変更され、リアはFFにはトレーリングアーム式が踏襲された一方、クワトロにはそれとは異なるダブルウィッシュボーン式が採用されました。
エンジンは当初、1.8L直4NA(最高出力125ps/最大トルク17.1kgm)、同ターボ(最高出力150ps/最大トルク21.4kgm)、2.4L V6NA(最高出力165ps/最大トルク23.5kgm)、2.8L V6NA(最高出力193ps/最大トルク28.6kgm)のガソリン4種類と、1.9L直4ターボ(最高出力110ps/最大トルク24kgm)及び2.5L V6ターボ(最高出力150ps/最大トルク31.6kgm)のディーゼル2種類がラインナップされました。
V8エンジン搭載車を追加
トランスミッションは、5速/6速MTと5速に多段化されたトルコン式AT、そして「マルチトロニック」と呼ばれるCVTが設定されました。そして1999年、ガソリンエンジンの新たなラインナップとして、2.7L V6ターボ(最高出力230ps/最大トルク31.6kgm)と4.2L V8NA(最高出力299ps/最大トルク40.8kgm)が追加されました。
同時に、4.2Lエンジンを更にチューンナップして搭載する派生モデル「アウディ・S6」及び「アウディ・RS6」がリリースされました。次いで2001年にフェイスリフトが実施されると同時に、ガソリン1.8L NAエンジンが2L直4NAエンジン(最高出力131ps/最大トルク19.9kgm)に、同2.8Lエンジンが3L V6NAエンジン(最高出力220ps/最大トルク30.6kgm)にそれぞれ置換されました。
そして2004年にフルモデルチェンジが実施され、3代目C6系に移行しました。日本市場における2代目A6は、1997年9月にまずセダン「2.4」「2.8クワトロ」が上陸を果たしました。いずれも、トランスミッションは5速ATとの組み合わせでした。次いで1998年4月にセダン「2.4クワトロ」が、追って同年7月にアヴァント2.4/2.4クワトロ/2.8クワトロが追加されました。
続いて2001年1月にセダン「2.7Tクワトロ」が追加された後、同年11月にフェイスリフト版のセダン2.4/2.7Tクワトロ及びセダン/ワゴン「3.0クワトロ」「3.0クワトロSE」に切り替えられました。そして2004年7月にまずセダンが、翌2005年6月にアヴァントが3代目モデルに切り替えられました。