BMWは2013年、「6シリーズ」をベースとしたハイパフォーマンスモデル「M6」に、2ドアクーペ、2ドアカブリレオに続く新たなボディ・バリエーションとなる「グランクーペ」を追加しました。プラットフォームやパワートレインなど基本コンポーネンツはクーペ/カブリオレと共通で、同様に高い走行性能を持っていました。
4ドアクーペ型ボディを採用
ボディタイプは4ドアクーペで、エクステリアは一足先に発売されたベースモデル「6シリーズ・グランクーペ」同様、2ドアクーペの延長線上にある流麗なフォルムを備えていました。さらに、大型エアインテーク採用のフロントエプロンや専用ワイド・フロントフェンダー、リアディフューザー付きリアエプロン+デュアルエキゾーストなどにより、ベースモデルとの差別化が図られていました。
ボディ・サイズは全長5,015mm×全幅1,900mm×全高1,395mmで、M6クーペとの比較では全長が210mm、全高が20mm拡大されていました。また、ホイールベースは115mm延長され2,965mmとなっていました。サスペンション形式は、ベースモデル同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:インテグラルアーム式が踏襲されました。
走行性能を高める装備を採用
その一方で、Mモデルならではの装備として電子制御サスペンションの「ダイナミックダンピングコントロール」が採用されました。駆動方式はM6クーペ/カブリオレ同様にFRのみの設定で、エンジンもそれらと共通の4.4L V8DOHCツインターボ(最高出力560ps/6,000rpm・最大トルク69.3kgm/1,500-5,750rpm)が搭載されました。
トランスミッションも同様に、7速デュアルクラッチ式の「M DCT Drivelogic」が搭載されました。パフォーマンスは最高速度250km/h(リミッター作動)・0-100km/h加速4.2sというMの名に恥じない優秀なもので、さらにオプションの「Mドライバーズパッケージ」を装着した場合、最高速度は305km/hに達しました。
また、燃費改善対策としてアイドリングストップ機構も採用されました。そのほか走行性能向上に係る装備として、トラクション性能を向上させる「アクティブMディファレンシャル」が採用されました。また、4輪ベンチレーテッド・ディスク式のブレーキには、高い制動力を発揮する「Mコンパウンド・ブレーキシステム」が採用されました。
一方室内は、2ドアクーペ/カブリオレが4人乗りであるのに対し5人乗りとなるほか、後席の居住性も向上していました。また、M専用デザインが採用されるインパネには、これもM専用となるフルカラーのヘッドアップディスプレイが標準装備されました。日本市場では2013年1月に受注が開始され、同年5月からデリバリーが開始されました。ステアリングホイールの位置は、右と左を選択することができました。