ゼネラルモーターズ(GM)は2011年1月の北米国際オートショーにおいて、北米向けのビュイック・ブランドとして初の小型モデルとなる「ベラーノ」を発表、同年11月に販売を開始しました。前年に中国市場で発売した同じビュイック・ブランドの「エクセルGT」の北米向けバージョンで、プラットフォームは「シボレー・クルーズ」などと共通の「GMデルタⅡプラットフォーム」が用いられました。
フレックス燃料対応エンジンを搭載
ボディタイプは4ドアセダンのみの設定で、スタイリングは基本的にエクセルGTと同一でした。ボディサイズは全長4,671mm×全幅1,814mm×全高1,483mmのDセグメント・サイズで、ホイールベースは2,685mmに設定されていました。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式で、駆動方式はFFでした。
エンジンは、1.6Lまたは1.8Lの直4を搭載するエクセルGTと異なり、当初「エコテック」と呼ばれる2.4L直4DOHC 直噴NA(最高出力179ps/最大トルク23.5kgm)が搭載されました。このエンジンは、ガソリンのほかにE85エタノールも使用できるフレックス燃料対応型でした。組み合わせられるトランスミッションは、6速トルコン式ATのみの設定でした。
また、ステアリング形式はラック&ピニオン式、ブレーキ形式は4輪ベンチレーテッド・ディスク式で、タイヤは前後とも225/50R17が装着されました。その後2012年末に、2L直4DOHCエコテック・ターボエンジン(最高出力253ps/最大トルク36kgm)搭載車が追加されました。トランスミッションは6速ATのほか、オプションで6速MTを選択することも可能でした。
中国市場で2代目モデルをリリース
それと同時に、2.4L NAエンジンのアウトプットが最高出力183ps/最大トルク23.7kgmへとわずかながらも向上しました。次いで2016年、リアスポイラーと専用18インチアルミホイールが装着される「スポーツツーリングエディション」が設定されました。そして2016年7月、中国市場において2代目ベラーノがリリースされました。
プラットフォームは「D2XXプラットフォーム」に一新され、ボディタイプは4ドアセダンに加え新たに5ドアハッチバックがラインナップされました。4ドアセダンのスタイリングは先代からのキープコンセプトであったものの、幾分シャープな造形となっていました。ボディサイズは全長4,718mm×全幅1,802mm×全高1,466mmで、先代との差は大きくありませんでした。
ホイールベースは2,700mmで、先代からわずかに延長されていました。駆動方式はFFが踏襲され、エンジンは1.5L直4と2L直4が用意されました。