GM(ゼネラルモーターズ)は2000年9月、当時業務提携を結んでいたスズキ自動車のコンパクト・トールワゴン「ワゴンRプラス」のOEM版となる「シボレー・MW」を発売しました。基本メカニズムやボディシェルなどはワゴンRプラスと共通であったものの、専用の内外装や装備の採用により差別化が図られました。
1Lターボエンジン搭載でスタート
ボディタイプはワゴンRプラス同様、オールヒンジ式ドア採用の5ドアのみの設定で、エクステリア面ではフロントグリルにシボレー・ブランドのシンボルであるボウタイが備わっていました。ボディ・ディメンションは全長3,510mm×全幅1,620mm×全高1,670mm、ホイールベース2,360mmで、ワゴンRプラスと全く同一でした。
サスペンション形式はワゴンRプラスと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:I.T.L式で、ブレーキも同様にフロントにベンチレーテッド・ディスク式、リアにドラム式が採用されました。駆動用式は当初FFのみの設定で、パワートレインはスズキ製の1L直4DOHCターボエンジン(最高出力100ps/最大トルク12.4kgm)と、コラム式の4速トルコン式ATの組み合わせでした。
エンジンを1L/1.3L NAに置換
発売当初のグレード体系は、「Sエディション」のモノグレード設定でした。そして翌2001年1月にグレード体系が一新され、1L直4DOHC NAエンジン(最高出力70ps/最大トルク9.7kgm)搭載のベースグレードと、1.3L直4DOHC NAエンジン(最高出力88ps/最大トルク12kgm)搭載の「1.3S」の2タイプとなりました。また、1.3Sにはフルタイム4WD仕様が設定されました。
トランスミッションは従来同様、全車4速トルコン式ATとの組み合わせでした。そして同年9月に、カーナビゲーションシステムを装備した特別仕様車「ナビエディション」が設定されました。次いで2003年1月にマイナーチェンジが実施され、フロントマスクの意匠が一新されるとともに、ベースグレードのエンジンが1.3Lに換装されました。また、Sにディスチャージヘッドランプが装備されました。
ベースモデルをソリオに変更
その後2004年をもって一旦販売終了となったものの、2006年1月に初代「スズキ・ソリオ」をベースとしたリニューアル版が再発売されました。基本メカニズムに大きな変更はなく、パワートレインも従来と同様であったものの、エクステリアはエアロパーツの採用などによりイメージチェンジが図られました。同時に、ボディサイズは従来型から全長が65mm、全高が30mm拡大されました。
グレード体系は、復活当初はベースグレードのみであったものの、翌2007年6月に廉価グレード「Vセレクション」が追加されました。追って同年11月に一部改良が実施され、内外装が一部変更されました。次いで2008年8月に、特別仕様車「Gセレクション」が設定されました。そして2010年12月をもって販売終了となりました。