初代モデルが1954年にデビューしたフォード・モーターの高級スペシャリティカー「サンダーバード」は、1964年に3年ぶり3度目のフルモデルチェンジを受け、通称「フレアー・バーズ」と呼ばれる4代目モデルに移行しました。流麗なスタイリングが持ち味だった先代から一転し、2代目モデルを彷彿とさせるスクエアなフォルムが採用されました。
先代同様4種類のボディを用意
2ドア4シーター仕様を踏襲するボディのラインナップは、先代同様にフィクスドヘッドのハードトップ、ビニールトップが備わるランドウトップ、電動ソフトトップが備わるコンバーチブル、トノカバーが用意されるスポーツロードスターの4タイプが用意されました。エクステリア面では前述した特徴の他、ボディ側面に彫刻的なプレスラインが施されました。
ボディサイズは全長5,217mm×全幅1,958mm×全高1,334mm(ハードトップ)/1,354mm(コンバーチブル)で、先代から全長・全幅が僅かに拡大されました。ホイールベースは2,875mmで、実質的に先代と同等でした。駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンも6.4L V8OHVがキャリオーバーされました。
ただし、先代にオプションで用意されていた高圧縮比仕様と3連キャブレター仕様は廃止され、10:1の圧縮比から従来同様の最高出力300hp/最大トルク59kgmのアウトプットを発生するシングルキャブレター仕様に一本化されました。組み合わせられるトランスミッションは、先代同様3速トルコン式ATのみの設定でした。
デビュー翌年ディスクブレーキを採用
また、ブレーキは当初は従来同様の4輪ドラム式が採用されました。ホイール&タイヤは5.5J×15ホイール+8.15-15タイヤの組み合わせで、従来から1インチ大径化されました。その後、1965年モデルでフロントグリルやテールランプの意匠などが変更されるとともに、テールランプにシーケンシャル・フラッシャーが採用されました。
さらに、フロント・ブレーキがディスク化された事も大きな変更点でした。続いて1966年モデルで再びフェイスリフトが実施され、フロント廻りの造形やテールランプの意匠などが変更されました。同時に、ハードトップが「タウン・ハードトップ」に、ランドウトップが「タウン・ランドウ」に置き換えられ、ルーフのデザインも変更されました。
また、エンジンもリニューアルされ、新たに7L V8OHVエンジン(最高出力345hp/最大トルク63.8kgm)が用意されるとともに、既存の6.4L V8エンジンの最高出力が315psに高められました(最大トルクは不変)。そして翌1967年にフルモデルチェンジが実施され、通称「グラマー・バーズ」と呼ばれる5代目モデルに移行しました。
先代モデル:3代目サンダーバード
後継モデル:5代目サンダーバード