ホンダ技研工業は1997年8月、1995年のフルモデルチェンジにより6代目に移行したコンパクトカー「シビック」をベースに、エンジンの高性能化や車体の軽量化を図ると共に、専用の内外装が備わるホットハッチ「タイプR」をリリースしました。優れた動力性能や操縦安定性により、同時代の国産ホッチハッチを代表するモデルとなりました。
新車購入ガイド:【2023最新】フィットの値引き 納期 乗り出し価格
新車購入ガイド:【2023最新】シビックの値引き 納期 乗り出し価格
エンジンの他ブレーキも強化
ボディタイプはベースモデル同様3ドアハッチバックで、スタリングも基本的に共通ながら、前後に備わるスポイラーがタイプRの証となっていました。ボディサイズは全長4,180mm×全幅1,695mm×全高1,360mmで、ベースモデルよりも全高が15mmローダウンされていました。ホイールベースは共通の2,620mmで、車両重量は1,050~1,070kgでした。
サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式を踏襲する一方、タイプR専用のチューニングが施されました。駆動方式はベースモデル同様FFで、エンジンはそれまでのトップグレード「SiR」に搭載される1.6L直4DOHC NA VTEC仕様のB16A型をベースに、圧縮比アップやVTECのセッティング変更などのチューニングを加えたB16B型が採用されました。
スペックは最高出力185ps/8,200rpm・最大トルク16.3kgm/7,500rpmで、B16A型MT車用から15ps/0.3kgmのアウトプット向上を果たしていました。トランスミッションはSiRと異なり4速ATの設定はなく、5速MTのみが用意されました。又、SiRに引き続き採用された4輪ディスク式のブレーキは、フロントがベンチレーテッドタイプにアップグレードされました。
競技用ベース車も用意
装着されるタイヤは、SiRと共通の195/55R15サイズでした。グレードは標準車の他にレースベース車(後にモータースポーツベース車に名称を変更)が用意され、前者にはMOMO製本革巻きステアリングホイールやアルミホイールが装備されました。又、両グレード共に軽量化の為、エアコンやカーオーディオ、パワーウィンドウといった快適装備は省かれていました。
安全装備面では、標準車のみにSRSデュアルエアバッグシステムとABSが採用されました。ボディカラーは、ブラック系/ホワイト系/シルバー系の3色が用意されました。そして1999年12月、マニュアルエアコンやCDプレーヤー付オーディオ、パワーウィンドウ、専用カーボン調センターパネル、アルミパッドスポーツペダルなどが装備される上級グレード「タイプR・X」が追加されました。
そして2000年9月、シビックが7代目にフルモデルチェンジされた事に伴い、生産終了となりました。7代目シビックがベースの次期型タイプRが登場するのは、翌2001年12月の事でした。