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ホンダ S660 (初代 2015-):ビートの後継モデルは、走りに特化した割り切りが特徴 [JW5]

ホンダ S660 '15 (出典:honda.co.jp)

ホンダ S660 ’15 (出典:honda.co.jp)

2015年4月、かつてのホンダ・ビートの後継モデルと目される軽スポーツカー「S660」が発売開始になりました。2013年の東京モーターショーで、プロトタイプの「S660コンセプト」が公開され、大きな注目を集めましたが、ファンにとっては待望久しい市販化となりました。ビートが1996年に生産終了となっているので、19年越しのフルモデルチェンジという事になります。

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タルガトップボディとMR方式の組み合わせ

ビートと同様ミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)方式を採用している為、ボディの基本的なプロポーションはビートに類似しており、一目で後継モデルである事が分かるアイコン性が備わっています。しかし、造形はよりモダンかつアグレッシブになり、サイズの制約がある軽自動車とは思えない伸びやかな雰囲気を醸しています。

ホンダ S660 '15 (出典:honda.co.jp)

ホンダ S660 ’15 (出典:honda.co.jp)

ビートとのボディ形状の相違点は、フルオープンコンバーチブルボディであったビートと異なり、Bピラーが備わるタルガトップとなっている点です。又、屋根がソフトトップである点は共通しているものの、手動での開放操作により座席後方に折り畳む事が出来たビートに対し、取外してボンネットに収納する方式になっている点が異なります。そして、ビートにあったエンジンルーム後方のトランクルームは、なくなっています。

ホンダ S660 '15 (出典:honda.co.jp)

ホンダ S660 ’15 (出典:honda.co.jp)

ボディサイズは、全長と全幅は軽自動車規格一杯の3,395mm×1,475mm、全高はビートとほぼ同等の1,180mmです。全高は、「ダイハツ・コペン」や「マツダ・ロードスター」よりも低く抑えられています。車両重量は830kg~850kgで、ボディ拡大などに伴いビートより70kg~90kg重くなったものの、トップ開閉機構の違いなどにより、コペンよりも20kg程軽量に抑えられています。

パワートレインや装備などにも拘り

エンジンは、「Nシリーズ」に搭載されているS07A型0.66L直3DOHCターボをベースに、ターボチャージャーを換装するなど独自の変更を施したものが搭載されています。64ps/6,000rpm、10.6kgm/2,600rpmの最高出力と最大トルクは不変ながら、スロットルレスポンスが改善されるなど、スポーツカーに相応しい特性が与えられています。

ホンダ S660 '15 (出典:honda.co.jp)

ホンダ S660 ’15 (出典:honda.co.jp)

トランスミッションは、S660用に新開発されたクロスレシオの6速MTと、7速マニュアルモード付CVTが用意されます。CVTモデルにはアイドリングストップ機能が備わり、燃費はMTモデルの21.2km/Lに対し24.2km/Lとなっています。又、エキゾーストサウンドのチューニングにも拘り、スポーツカーに相応しい高揚感を演出しています。

サスペンションは、ビートと同様の4輪マクファーソンストラット式が採用され、ブレーキは軽自動車として唯一となる4輪ディスクブレーキが奢られます。又、コーナーリング時に内輪側にブレーキを掛ける事によりアンダーステアを軽減する「アジャイルハンドリングアシスト」を装備し、ハンドリング性能を更に高めています。

ホンダ S660 '15 (出典:honda.co.jp)

ホンダ S660 ’15 (出典:honda.co.jp)

車内の設計にも拘り、最適なドライビングポジションの追求や、MTモデルは快適なシフトフィールの追求が行われている他、小径ステアリングや新設計のスポーツシートが採用されています。装備面では、国産スポーツカーとしては唯一となる衝突被害軽減ブレーキ「シティブレーキアクティブシステム」をオプションで用意するなど、安全性を重視したものとなっています。

ファン・トゥ・ドライブだが、割り切りも

S660のドライブフィールは、MR方式らしい回頭性の高さとスタビリティーの高さを両立した操縦安定性と、実用粋で扱い易いエンジン特性により、誰にでもファン・トゥ・ドライブが味わえるものとなっています。一方、2人乗車した場合は手荷物の置き場所にも困る事や、トップの開閉と収納がやや面倒である事など、走りに特化した故の割り切りも見られます。

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